どうにも いか ない ね 神様 は 助け て くれ なく て 歌詞。 心に焼き付く歌詞のフレーズ2006

苦手な言葉「神は乗り越えられる試練しか与えない」

どうにも いか ない ね 神様 は 助け て くれ なく て 歌詞

「シンデレラ」にまつわる名言 「良い子で神様を信じているんですよ。 そうすれば神様がいつもお前を守ってくれます。 」 この名言はグリム童話の中でもとても有名な『シンデレラ』の中でシンデレラの母が最後にシンデレラに送った言葉であり、この童話から学んで欲しいことにも関ってくる名言です。 『シンデレラ』の内容は実は元のグリム童話の内容と多くの日本人が知っているディズニー作品などとはかなり違って、願いを叶えてくれる魔法使いも存在しませんし実の父親もなくなっていません。 そうしたいくつもの相違点からかなり違う内容になってしまうのでシンデレラのお話はここでは多くを語りませんがお話しのポイントだけ簡単にまとめさせていただくと以下の形。 お金持ちの家に生まれながらも母がなくなったシンデレラと言う少女は再婚でやってきた継母と義姉に散々いじめられましたが信心深く善良なままでした。 ワガママも贅沢も言わずに父くれるプレゼントにも自分の欲しいものではなく、母の墓に供える木を望むような人物でした。 そしてそんなシンデレラが母の墓に植えた木が大きくなってきたとき、一羽の小さい白い鳥がいつもその木にきて、シンデレラが望みを言うとその鳥が望んだものを落としてくれるようになったのです。 次第にシンデレラの望みを叶えてくれるのはその小鳥だけではなくて他の動物や植物までも力を貸してくれるようになりますが、自分で出来る事は自分でこなし、自分の力でどうにもできない事だけ願う人物であり続け、ついには憧れの王子様と結婚します。 そんなシンデレラの幸せを掠め取ろうと2人の義姉がシンデレラたちの結婚式にやってきますが、その場でついに意地悪と不誠実のために、義姉二人は小鳥によって目をつつかれ生涯目が見えなくなります。 このお話しが教えたいのは神に恥じるところのない人物であれば救われること、そしてもう一つ神に恥じるところのある人物ならば罰が下るという所。 物語の冒頭でシンデレラが聞かされた名言「良い子で神様を信じているんですよ。 そうすれば神様がいつもお前を守ってくれます。 」に実はこの有名なグリム童話が子供に伝えたいことが集約されているのです。 「ヘンゼルとグレーテル」にまつわる名言 「絶対に2人で助かろう」 この名言はグリム童話の中でもとても有名なお話の一つ『ヘンゼルとグレーテル』の中で兄ヘンゼルが何度か繰り返し妹のグレーテルに語る言葉であり、この童話で学んで欲しいことに関ってくる名言です。 『ヘンゼルとグレーテル』の内容は大筋ではグリム童話のものからあまり変更されたものはなく、その内容は、二人の兄妹を疎ましく思う母が自分が生きるために父親に森の中に捨てて来いと指示を出しますが、兄グレーテルが妹を守りながら機転を利かせ、知恵を働かせ何度も家に帰ってきます。 しかし徐々に家に帰れないように継母に手を打たれ、ついには家に帰り着けなくなり困ったところにパンで出来た小さな家を発見し、空腹のあまり兄弟はその家を食べ始めてしまいますが、それは魔女が子供と言うご馳走を手に入れる為の罠でした。 魔女につかまった後も何とか食べられないようにしようと兄は知恵を働かせますが、それにも限界が来てしまいます。 ついにもう食べられてしまうと言う日、妹グレーテルは兄がこれまで自分を守ってくれたように機転を利かせ、知恵を働かせなんと魔女を殺します。 その後家にたどり着くまでに川を渡れなくなる問題がありましたが、妹グレーテルが川を渡してくれるといった鴨にも優しさを発揮することで危険を乗り越え、無事家にたどり着き、いなくなっていた母を除き、父と3人で幸せに暮らしました。 このグリム童話が教えたいのは「自分だけが助かろうとしなかったことが自分の命を繋ぐことになる」という所。 2人の兄弟が生き延びたのは頭が良かったからと言うのもありますが、それ以上に兄妹共に他人の事までしっかり気を使えたことで最終的に難を逃れています。 物語の中で何度か出てくる「絶対に2人で助かろう」には「情けは人のためならず」と同じ意味が込められており、この童話は子供に助け合って生きる精神を学んでもらいたいものであったと言えるのです。 「赤ずきん」にまつわる名言 「ちゃんと静かに歩いて、道をそれないのよ」 この名言はグリム童話の中でも有名な童話の一つ「赤ずきん」の冒頭でおばあさんのところに行く少女に対して母親が言い聞かせることです。 赤ずきんのお話しの大筋は今も昔もあまりかわりません。 赤いずきんをいつもつけている小さな女の子がある時お母さんからおばあさんのところにお使いに行くことを頼まれました。 お母さんは赤ずきんに色々注意し、「ちゃんと静かに歩いて、道をそれない」ことを言い聞かせますが、お使いに行く途中で悪いオオカミに出会い、オオカミが悪いものだと知らない赤ずきんはオオカミに騙されお母さんの注意を忘れ道草を食います。 赤ずきんを騙すことに成功したオオカミはまず聞き出したおばあさんの家に向かいおばあさんを騙し家に上がると食べてしまいます。 その後おばあさんのところにいかなくてはいけない事を思い出し、慌てて家に来た赤ずきんも同じくオオカミに食べられます。 たまたま運よく猟師に赤ずきんとおばあさんは助けられ、しっかり反省した赤ずきんも、まさに死に掛けたおばあさんも、その後は騙そうとするオオカミに騙されないようになりました。 このグリム童話が教えたいのはまさに「道をそれないこと」という所、するべき事、言われたことはちゃんとしないと大変な目に合うという事が子供に教えたいことだと言えます。 結局のところ赤ずきんちゃんはお母さんのいう事を聞かず、やるべきことをやらなかったため騙された挙句、大事なおばあさんを失いかけ、ついには自分も食べられました。 そのためこの有名なグリム童話で最初にお母さんが赤ずきんに行った「ちゃんと静かに歩いて、道をそれないのよ」というのはやるべきことをやり、言われたことをちゃんと守るということを子供に伝えるものであったと言えます。 「ブレーメンの音楽隊」にまつわる名言 「一緒に音楽をやれば、きっと素晴らしくなるよ」 この名言はグリム童話の「ブレーメンの音楽隊」の中で何度も出てくる言葉であり、中々深い名言と言える言葉です。 このお話しは今も昔も大筋はあまり変わりませんが、知らない人や忘れている人も多いと思いますので簡単に内容をご説明させていただきます。 年老いたロバが仕事が出来なくなったので餌がもらえなくなり、命の危機を迎えた時、ブレーメンで音楽をやろうと思いつき、ブレーメンを目指します。 その旅の途中、同じように老いて出来る事がなくなったが為命の危機を感じて逃げた犬、猫、そしてちゃんと仕事をしているのに来客のために食べられる運命にある雄鶏を仲間に引き込み、ブレーメンを目指します。 4匹はブレーメンへの旅の途中、森の中で夜を明かそうとしますが、近くに家がある事に気がつきます。 その家に言ってみるとなんとその家には盗賊が宴会を開いており、4匹はこの盗賊たちを追い出すことに決めました。 4匹はそれぞれの出来る得意な事をして見事盗賊を追い払うことに成功し、その後報復に来た盗賊も追い返し、その後盗賊の勘違いもあり、盗賊がこの家に近寄ることはなくなり、その家が気に入った4匹はそこで幸せに暮らします。 このグリム童話面白いことに4匹がブレーメンにたどり着くでもなく、明確に音楽隊をしたという記述も無いと言うタイトルに触れるところがあまりにも少ない童話。 しかしこの童話の中で仲間を勧誘するときにロバが言う言葉「一緒に音楽をやれば、きっと素晴らしくなるよ」を考えてみるとこの童話が子供に伝えたいことが分かります。 それは「生きる希望を持つこと」の大事さと「自分に出来る事がある事の大事さ」です。 ブレーメンに行かず、彼らが音楽隊になったかどうかもハッキリしていませんが、「ブレーメンで音楽隊をやる」と言う生きる希望がなければ良いことにめぐり合える事はなかったでしょうし、幸せに暮らすことになる家を手に入れるには彼らが自分達の出来る事をそれぞれ持ち、それが活きた結果です。 その為この有名なグリム童話は子供達に対して「生きる希望を持つこと」の大事さと「自分に出来る事がある事の大事さ」を学ばせるためのものだったと言えます。 「白雪姫」にまつわる名言 「鏡よ、鏡よ、この国で一番美しいのは誰?」 この名言はご存じない人のほうが少ないでしょう『白雪姫』の継母である后様が何度も問いかける言葉で、実はこのグリム童話の物語の主人公のどんな姿よりも以上に子供に学んでもらいたいものが込められている名言。 白雪姫のお話、少しずつ出来事は変わるものの実はたった一つの事柄を繰り返しているだけで、この童話のポイントは、世界で一番美しい白雪姫を継母が妬み、何度も殺そうとするも白雪姫は自身の美しさと運によって何度も命拾いをし、最後は王子様と結婚し、悪い事をしたお后様は「真っ赤に熱せられた鉄の靴を履いて踊らされ倒れて死ぬ」という所にあります。 これだけだとなんだか「美人は得だ」「悪い事をすると罰が当たる」と言う話にも聞こえるのですが、「何をもってして美人であるのか?」という所こそがこのグリム童話の子供に学んで欲しいところ。 実はお后様が魔法の鏡に「この国で一番美しいのは誰?」と聞いたとき最初のうちは魔法の鏡は「お后様」と答えているのですが、白雪姫が成長していってだんだん美しくなり、お后様が嫉妬を抱き始めたあたりから魔法の鏡は「お后さま、あなたはここの誰よりも美しい。 だが、白雪姫はもっと美しい。 」と答えるようになるのです。 それを聞いてドンドン嫉妬心が募り、白雪姫を殺したと思うたびにお后様は何度も鏡に問いかけます、「この国で一番美しいのは誰?」と、しかし鏡は言います。 「お后さま、あなたはここの誰よりも美しい。 だが、白雪姫はもっと美しい。 」やっとの事で白雪姫を毒リンゴを食べさせて殺せた後やっと鏡は「お后様」と答えてくれましたが王子が新しく白雪姫と結婚すると連れてくると鏡は「この国で一番美しいのは誰?」の質問に今度は、「お后さま、あなたはここで一番美しい。 しかし若い妃ははるかにもっと美しい。 」と答えます。 実は最後まで一度も鏡は「お后様は美しい」という事を否定はしませんし、最後明確に白雪姫の方が美しいといった訳ではなく「若い妃」の方が美しいと述べています。 そして最後に突然登場してきます「真っ赤に焼けた鉄の靴で踊って死ぬ」と言う話。 これらの事から推察するに、鏡に問いかけるという事は言ってしまうと自問自答することで、お后様は自らの嫉妬心で国一番の美しさを失って、最後は嫉妬を象徴するような「真っ赤に焼けた鉄の靴」で踊り死ぬ、つまり嫉妬に囚われた故に死んでしまったと考えられます。 誰にでも人に嫉妬することはあると思いますが、そうした嫉妬心を持つことで見た目が如何に美しくとも「美人」ではなくなり、最後はその嫉妬によって死ぬことになる。 だから人に嫉妬なんてするものではない。 白雪姫と言うグリム童話は恐らくこれこそが最も子供に学んで欲しいこととして、グリム兄弟がグリム童話とする以前から民話として語り継がれてきたのでしょう。

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本当のグリム童話と有名な5つの話から人生を学ぶ名言集

どうにも いか ない ね 神様 は 助け て くれ なく て 歌詞

消えない、愛ってやつで、何もかもぎゅっと抱きしめて。 もしも僕が愛されたらそんなこともう今更だよ。 僕ら今は、全部全部忘れやしない後悔を抱えていかなくちゃ。 愛されてるやつがずるくって辛いけど 僕ら今は傷跡と一緒に強く生きていかなくちゃ。 コメント• ほんまいい曲。 いつも助けられてる -- 名無しさん 2018-02-24 21:44:06• ネ申 -- 名無しさん 2018-02-24 23:39:22• 毎日聴いてます。 歌詞が突き刺さる -- ななし 2018-02-27 12:25:12• アダルトチルドレンのイントロが間奏とかちょくちょく聞こえる所が好きまた神曲か -- たろう 2018-02-27 19:34:19• アダルトチルドレンと繋がってる -- 名無しさん 2018-02-28 16:47:55• いい曲すぎて泣いた。 もっと伸びるべき。 -- 鈴 2018-03-12 21:02:59• リンの声が歌詞とあってる -- ボカロ中毒 2018-03-15 16:00:01• リンちゃんバージョン出たんですね。 イオリさんの声のものも両方とも大好きです。 両親が不仲で毎日死にたくなりますが、何とか生きていきたいと思います。 -- 渚 2018-03-28 15:29:50• キャンペーンソング決定おめでとうございます。 少しでも多くの人にこの歌が届かんことを! -- 名無しさん 2018-04-01 09:14:49• 好きすぎる・・・ -- もちりん 2018-04-05 16:57:59• 「消えない」の意味が変わってて泣ける -- 名無しさん 2018-04-25 00:47:01• この歌大好きです!!!!! -- みーちゃん 2018-06-16 12:58:08• 毒親育ちの自分は人を愛せない人間に育ったけど、この曲を聴くと「愛かぁ…」と思ってしまう。 -- 天河 2018-12-04 22:33:32• 「その手でそっと撫でて欲しい」は聴くたびに泣きそうになる -- 名無しさん 2019-01-07 15:03:53• 愛があれば?の方も好きだけど、こっちも買えるようにしてほしいな・・ -- 名無しさん 2019-03-25 23:56:42• 何回聴いても泣きそうになる。 -- ゆみ 2020-04-12 21:42:43• 愛されない辛さも愛される幸せも知っている人が本当に優しくなれる。 って思った。 -- 名無し 2020-04-18 13:22:34.

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大切な人たちへ

どうにも いか ない ね 神様 は 助け て くれ なく て 歌詞

あてんしょんぷりーず! ・シリーズものですので、前作を読んでから本作を読むことをお勧め致します。 ・転生ものです、流血表現あります、薬研が主(だった少女)を罵倒する表現もあります。 苦手な方は戻ることをお勧め致します。 本丸の保持する刀剣が一振を残して刀解され、当本丸主である審神者が行方不明の事態。 政府が過去にまで手を広げ審神者を捜索するも手がかりは今現在掴めていない。 捜査は2205年2月20日付で打ち切り済。 尚、当本丸の所有していた刀剣のうち「薬研藤四郎」は刀解された痕跡が見つからず、本体そのものも行方不明となっており、近年稀に見られる「闇堕ち」を起こしたものと推測されるが定かでない。 薬研藤四郎においても、手がかりはいまだ見つからず、2205年2月20日付で捜査は打ち切り済。 何だろうと思って見ていると、席の前からピンク色の可愛らしいシャーペンを拾い上げたようだった。 どうやら、隣の席の女子が落としたのを拾ってあげたようだった。 「あっ、…ありがとう、…吉光くん」 「おう。 こんぐらい気にすんな」 そんな、よく有りがちな会話が小さく聞こえた。 そう、有りがち。 あたしだって、男子とよくする会話。 …それなのに、…何だか、胸が痛い。 胸の痛みは、薬研がその女子に軽く、安心させるように笑いかけたのを見た瞬間にはっきりしたものになった。 なんで。 なんで他の子には笑ってあげるの。 既に前を向いた薬研の背中を、あたしはただ見つめる。 悲しさと、それだけじゃない。 ふつふつとした感情が、腹の奥から湧き上がってくる。 怒り…だと思った。 しかし、あたしの中で一言、あたし自身が自分を嗤う。 怒る権利があんたにあるの?あんたも薬研に酷いことしたんでしょ?薬研が自分で言うのを嫌がる位のことをさ。 …わかってるよ。 でも思い出せない。 思い出せないんだってば……!! 思い出せないから薬研は怒ってるのかも。 だってそうだよねぇ、やった本人が覚えてないんだから。 …でもだからって薬研は酷い。 酷いもん。 教えてくれないのは薬研だもん……!! 話がすり変わってるよぅ?酷いことをしたのはあんたなんでしょ、当然の報いと思いなよ。 薬研はあんたを嫌いだ。 約束なんておぼえちゃいないよ、ざまぁみな。 一人きりの押し問答。 むなしくなって途中でやめた。 でもこれだけは言える。 あたしが包丁を滑らしたとき、自ら助けたのは薬研だったのだ。 すっかり暗いじゃん」 学校をでて、あたしは嘆いた。 校舎に歪に切り抜かれた空は既に黒く、月は雲に隠されて、暗い暗い夜が街を覆っていた。 こんなことなら面倒くさがらずに提出物をしっかり出しておくんだった。 こんなときの夜道は危ないが、遠くから通っているあたしは公共機関をフルに使っての帰宅なので問題ない。 あ~この学校来てよかったああぁ。 いや、もう高校だから変わらんか、皆も。 さて、電車に乗ってから、気づいたことがある。 帰宅ラッシュの満員電車のなか、ちょっと離れたところに、すっごい美男子乗ってるわーと思ったら薬研だった。 見事に人目を集めている。 いやそうじゃない。 なにこの偶然。 神様そういうのやめてくれ。 あたしと薬研は家が近いから、こうして同じ電車に乗り合わせると必然的に町まで同じバス、バス停から家までも同じ道、になってしまう。 ぅわ気まずい。 それに何より、…薬研の顔が見たくなかった。 スマホを取り出し、動画再生アプリを開く。 耳にイヤフォンを押し込む。 最っ高に騒がしい音楽を選んで、デジタル感溢れる音色に思考を委ね、あたしは目を瞑った。 視界が真っ暗になって、薬研も見えなくなった。 おかげで乗り過ごしそうになった。 電車を降りると、校内で見たものよりも暗い空が頭上にあった。 月は見え隠れを繰り返し、あたしは何故かイラついた。 なんなんだお前、はっきりしろよ。 何気なく後ろを伺うと、やはり薬研もいた。 何することもなく、無表情に何かを見ている。 …なに見てるんだろう、すこし気になったあたしは馬鹿だった。 薬研の視線の先には、柔らかな感じの美人さん。 お相手らしい男性と、仲好さげに喋り、笑い、はたき合ったりしているのだった。 そうか、薬研はああいう美人さんが好みなのか。 ちく、と胸に痛みが刺す。 美人さんの顔からあたしは目を逸らした。 美人さんと男性が腕を絡ませるのが目の端でわかった。 そしてそれを見、薬研が舌打ちをしたのも。 …見なければよかった。 あたしは自分の馬鹿さにほとほと呆れる。 後悔のようなものが思考を支配した。 なにしてんだろう、あたし。 後悔することなんか何もないのに。 忘れよう。 あたしは歩を速めた。 なんとなく背中に視線を感じたけど、気にしないようにした。 バス停までは大きな遊歩道を歩く。 車が沢山下を通っていく。 階段を降りきったところで、はたとあたしは自分の失敗に気づいた。 しまった、チャージし忘れた。 そう、ICカードにチャージをするのを忘れていたのだ。 確か残金は100円ちょっと。 これではバスに乗れない。 どうしてこうなるまでほっといた自分、と思うが毎度のこと。 面倒だけど駅まで戻るしかない。 幸い次のバスが来るまで20分ほどある。 さっさと行って戻ってこよう。 あたしは方向転換した。 と、そこで誰かにぶつかってしまう。 「…わっ、…す、すみません」 ぶつかった相手は、擦り切れたパーカーを引っ掛けた太った男だった。 いかにもオタクという感じ。 うわ、やな感じの人にぶつかってしまった。 すみませんともう一度謝ると、男は小さな目を動かしてこちらを凝視し、なにか口でもごもご言った。 「大丈夫です」と聞こえた気がしなくもなかったので、あたしはくるりと踵を返す。 あまり通行人に見られたくない状況だ。 すこし視線を巡らして、あたしは思わず立ち止まった。 薬研が足を止め、こちらを見ていた。 目が合う。 ……こういうのやめてって言ったよね、神様。 あたしは猛烈に恥ずかしくなる。 なに見てんの、どうせ間抜けだって嗤う癖に。 嗤う癖に、嗤う癖にッ!! あたしは首を別方向に回した。 薬研が見えなくなる。 そうこれでいい、真っ赤な顔だって不細工だって言われるに決まってるんだ。 絶対そうだ。 バスに乗る気がさっぱり失せた。 チャージもしないで裏道を使って歩いて帰ろう。 今日は涼しいいい気温だしたまには運動もいい。 薬研と一秒でも同じところにいるもんか。 頭はかっかしてそう心中で怒鳴り散らすのに、何故かあたしの目元は熱かった。 こぼれた雫を乱暴に拭って、あたしは歩き出した。 [newpage] 歩かなければよかった。 時すでに遅し。 まったく人のいない道は薄気味悪くて、お化けの類に弱いあたしは心から後悔した。 そもそも移ろいやすいあたしの感情よ。 いらいらしていれば怖くなんかないのに、涼しい道を少し歩けば冷静になれてしまう自分が恨めしい。 簡単に落ち着きを取り戻してしまう自分が腹立たしい。 こちらを見ていた薬研の顔を思い出す。 眉をひそめた咎めるような表情。 見られるだけで嫌だった。 さっき美人さんを見つめていたのと同じ瞳で見られるのが嫌だった。 ああ駄目だ考えるな考えるな!イヤフォンから流れる音楽に身を任せ、歌詞を反芻して思考回路を遮断する。 なんで薬研のことなんか考えてるんだろう。 嫌われてるってわかってるのに。 大嘘つかないでよ馬鹿」 嫌いになったら守るなんてことしない。 ずっと仲良くしよう、そんな意味もこめた約束だったのに。 「嘘つき。 薬研の嘘つき、馬鹿」 なんだ。 薬研もあたしに、よっぽど酷いことしてるじゃないか。 そう思った瞬間、なにかが頭に蘇った。 あたしの前に横たわる、…血まみれの、今より小さい薬研。 尋常じゃない出血量。 あたしは札を握り締めて、薬研の手入れを泣きながらする。 薬研はぴくりとも動かない。 戦装束が破れてしまって、綺麗な肌も傷ついて。 元気に出かけていったのに、土産は何がいいとまで言って門をくぐって行ったのに。 こんな血まみれ重傷、折れる寸前で帰ってくるなんて。 もし折れてしまったらどうするのだ。 前線で単身突っ込んでいくのは危ないから止めてと何度も行ったのに。 「守ってくれるんでしょ、約束したでしょ!俺は大将の懐刀だって言ったのは薬研じゃない!それなのに折れるようなことするなんてなんてことするのよっ!!!! 」 本体の刃こぼれを、霊力の限りを尽くして直そうとした。 その時、あたしの腕を誰かが掴んだ。 「……や、…めろ、大将…!! 」 「や、薬研?! 」 あたしの腕を掴んだのは、他ならぬ薬研だった。 体を動かすのもつらいはずなのに、なにをするのか。 「止めない!これは薬研の罰!約束破りそうになった薬研への罰なの!薬研は黙って寝ててよ!! 」 「…約束破るわけねぇだろ!やめろっつってんだ、死んだらどうする!! 」 「うるさいうるさいうるさいよ!! 」 「いいか大将、無理をしたのは悪かった、だがな、今から死ぬかもしれねぇことをしようとしてる大将を止めんのも懐刀の役目だろ、違うか!! 」 「……っ」あたしは息を詰まらせた。 薬研がこちらを睨む。 腕を放す気はないらしい。 「大将わかるか、俺の仕事は大将を守ることだ。 目の前の危険は懐刀として、全部全部取り除かねぇといけねぇんだ。 それをしてるのが俺の存在意義だ。 俺の幸せだ。 頼ってくれてんだろ?…大将」 「…や、げん」 「なぁ守らせてくれよ大将。 それに俺があんたを置いて死ぬわけねぇし、あんたの前に死んだりするわけねぇだろ」 薬研が、あたしの指に軽く唇を落とした。 [newpage] …は。 あたしは目を開ける。 頭がぐるぐるしている。 なんだ、なんなんだいまのは。 大将?幼いような薬研?札?重傷?戦装束に懐刀? 意味がわからない。 どこの時代劇だ。 だけど、意味がわからないけど、懐かしい。 温かい、心地いい。 既にとまった音楽は、あってもなくても全然聞こえなかったろう。 あたしの頭の中は、さっきの意味のわからない記憶で一杯だった。 だから反応が遅れた。 どん、とぶつかられ。 あ、と思うまもなく地面に叩きつけられる。 なに、なんなの。 頭がついていかない。 アスファルトで擦ったところが痛い。 荒い息の音に、不意に恐怖を覚えた。 見るな。 見ちゃいけない。 頭の中でそう自分が警告した。 しかしあたしは、見上げた。 夜目の利かない瞳をこらし、凝視する。 そして、なにが目の前にいるのかを認識し、あたしは悲鳴をあげた。 それは、駅でぶつかった男だった。 どうして。 どうして。 頭がそれだけを繰り返す。 体は鉛みたいに動かない。 知らない男に羽交い絞めにされている現実が何故本当のものなのかわからない。 男は荒い息で、あたしのブレザーの前を開け始めた。 そこで初めてあたしは、男がなにをしようとしているのか理解した。 思考が真っ白になる。 嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!! 「…あっ、嫌、離せ、離して、嫌ぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあっっっっ」 スカートをめくられる。 脚に手が這わせられる。 ぁ、あ、あ、 誰か助けて。 誰でもいいよ、助けてよ! そう願った瞬間だった。 体が突然引っ張られ、男から離れた。 下敷きにしていたものを失った男は、派手に顎をアスファルトにぶつけ呻いた。 そこから追い討ちをかけるように、長い脚が男のわき腹を打つ。 どすっ、と鈍い音が耳に残った。 「…柄まで通ったな」 そう低い声が聞こえて。 あたしは顔をあげた。 知ってるこの声、低くて心地いい声。 「や…げん、どうして…」 あたしが呟くと、抱えられた体が下ろされた。 意外にも、そっと。 見上げた薬研の顔は、苦かった。 辛そうな顔だった。 咎める顔だった。 「どうもこうもねぇよ、この馬鹿野郎」 薬研は顔を背けた。 はぐらかされたとわかった。 「…なんで助けてくれたの」 あたしは、羞恥心を抑えて訊いた。 ああいう場面を見られたとか、そういうのはとりあえずもういい。 大事なのは、なんで助けてくれたのか。 「…なんでって」 「嫌いなんでしょ、…あたしのことが。 それなのになんで」 「…」 「やめてよそういうの…ちっちゃい頃思い出しちゃうからやめてよ、ぅっ、」 あたしは言っていて情けなくなった。 あたしは何を言ってるの。 こんなこと言ったって、どうにも… 「約束…しただろ」 …え? あたしは薬研をまた見上げていた。 いつの間にか出た月に照らされた薬研の顔は、辛そうに歪められていた。 「…やげ、」 「早く帰れ」 「…、覚えてたの…?」 あたしの問いに、薬研は答えなかった。 「…ぇ」 柔らかな感触は、すぐ消えた。 ぱっと離され、あたしは呆然とする。 薬研の顔は、…今にも泣きそうな、弱いものだった。 「大将、…思い出してくれ」 薬研が呟いた。 「…俺が、嘘をつかない為に」 呆然としたままのあたしに、薬研は背を向けた。 その姿が宵闇に消えるまで、あたしはなにも出来なかった。 続く あてんしょんぷりーず! ・シリーズものですので、前作を読んでから本作を読むことをお勧め致します。 ・転生ものです、流血表現あります、薬研が主(だった少女)を罵倒する表現もあります。 苦手な方は戻ることをお勧め致します。 本丸の保持する刀剣が一振を残して刀解され、当本丸主である審神者が行方不明の事態。 政府が過去にまで手を広げ審神者を捜索するも手がかりは今現在掴めていない。 捜査は2205年2月20日付で打ち切り済。 尚、当本丸の所有していた刀剣のうち「薬研藤四郎」は刀解された痕跡が見つからず、本体そのものも行方不明となっており、近年稀に見られる「闇堕ち」を起こしたものと推測されるが定かでない。 薬研藤四郎においても、手がかりはいまだ見つからず、2205年2月20日付で捜査は打ち切り済。 何だろうと思って見ていると、席の前からピンク色の可愛らしいシャーペンを拾い上げたようだった。 どうやら、隣の席の女子が落としたのを拾ってあげたようだった。 「あっ、…ありがとう、…吉光くん」 「おう。 こんぐらい気にすんな」 そんな、よく有りがちな会話が小さく聞こえた。 そう、有りがち。 あたしだって、男子とよくする会話。 …それなのに、…何だか、胸が痛い。 胸の痛みは、薬研がその女子に軽く、安心させるように笑いかけたのを見た瞬間にはっきりしたものになった。 なんで。 なんで他の子には笑ってあげるの。 既に前を向いた薬研の背中を、あたしはただ見つめる。 悲しさと、それだけじゃない。 ふつふつとした感情が、腹の奥から湧き上がってくる。 怒り…だと思った。 しかし、あたしの中で一言、あたし自身が自分を嗤う。 怒る権利があんたにあるの?あんたも薬研に酷いことしたんでしょ?薬研が自分で言うのを嫌がる位のことをさ。 …わかってるよ。 でも思い出せない。 思い出せないんだってば……!! 思い出せないから薬研は怒ってるのかも。 だってそうだよねぇ、やった本人が覚えてないんだから。 …でもだからって薬研は酷い。 酷いもん。 教えてくれないのは薬研だもん……!! 話がすり変わってるよぅ?酷いことをしたのはあんたなんでしょ、当然の報いと思いなよ。 薬研はあんたを嫌いだ。 約束なんておぼえちゃいないよ、ざまぁみな。 一人きりの押し問答。 むなしくなって途中でやめた。 でもこれだけは言える。 あたしが包丁を滑らしたとき、自ら助けたのは薬研だったのだ。 すっかり暗いじゃん」 学校をでて、あたしは嘆いた。 校舎に歪に切り抜かれた空は既に黒く、月は雲に隠されて、暗い暗い夜が街を覆っていた。 こんなことなら面倒くさがらずに提出物をしっかり出しておくんだった。 こんなときの夜道は危ないが、遠くから通っているあたしは公共機関をフルに使っての帰宅なので問題ない。 あ~この学校来てよかったああぁ。 いや、もう高校だから変わらんか、皆も。 さて、電車に乗ってから、気づいたことがある。 帰宅ラッシュの満員電車のなか、ちょっと離れたところに、すっごい美男子乗ってるわーと思ったら薬研だった。 見事に人目を集めている。 いやそうじゃない。 なにこの偶然。 神様そういうのやめてくれ。 あたしと薬研は家が近いから、こうして同じ電車に乗り合わせると必然的に町まで同じバス、バス停から家までも同じ道、になってしまう。 ぅわ気まずい。 それに何より、…薬研の顔が見たくなかった。 スマホを取り出し、動画再生アプリを開く。 耳にイヤフォンを押し込む。 最っ高に騒がしい音楽を選んで、デジタル感溢れる音色に思考を委ね、あたしは目を瞑った。 視界が真っ暗になって、薬研も見えなくなった。 おかげで乗り過ごしそうになった。 電車を降りると、校内で見たものよりも暗い空が頭上にあった。 月は見え隠れを繰り返し、あたしは何故かイラついた。 なんなんだお前、はっきりしろよ。 何気なく後ろを伺うと、やはり薬研もいた。 何することもなく、無表情に何かを見ている。 …なに見てるんだろう、すこし気になったあたしは馬鹿だった。 薬研の視線の先には、柔らかな感じの美人さん。 お相手らしい男性と、仲好さげに喋り、笑い、はたき合ったりしているのだった。 そうか、薬研はああいう美人さんが好みなのか。 ちく、と胸に痛みが刺す。 美人さんの顔からあたしは目を逸らした。 美人さんと男性が腕を絡ませるのが目の端でわかった。 そしてそれを見、薬研が舌打ちをしたのも。 …見なければよかった。 あたしは自分の馬鹿さにほとほと呆れる。 後悔のようなものが思考を支配した。 なにしてんだろう、あたし。 後悔することなんか何もないのに。 忘れよう。 あたしは歩を速めた。 なんとなく背中に視線を感じたけど、気にしないようにした。 バス停までは大きな遊歩道を歩く。 車が沢山下を通っていく。 階段を降りきったところで、はたとあたしは自分の失敗に気づいた。 しまった、チャージし忘れた。 そう、ICカードにチャージをするのを忘れていたのだ。 確か残金は100円ちょっと。 これではバスに乗れない。 どうしてこうなるまでほっといた自分、と思うが毎度のこと。 面倒だけど駅まで戻るしかない。 幸い次のバスが来るまで20分ほどある。 さっさと行って戻ってこよう。 あたしは方向転換した。 と、そこで誰かにぶつかってしまう。 「…わっ、…す、すみません」 ぶつかった相手は、擦り切れたパーカーを引っ掛けた太った男だった。 いかにもオタクという感じ。 うわ、やな感じの人にぶつかってしまった。 すみませんともう一度謝ると、男は小さな目を動かしてこちらを凝視し、なにか口でもごもご言った。 「大丈夫です」と聞こえた気がしなくもなかったので、あたしはくるりと踵を返す。 あまり通行人に見られたくない状況だ。 すこし視線を巡らして、あたしは思わず立ち止まった。 薬研が足を止め、こちらを見ていた。 目が合う。 ……こういうのやめてって言ったよね、神様。 あたしは猛烈に恥ずかしくなる。 なに見てんの、どうせ間抜けだって嗤う癖に。 嗤う癖に、嗤う癖にッ!! あたしは首を別方向に回した。 薬研が見えなくなる。 そうこれでいい、真っ赤な顔だって不細工だって言われるに決まってるんだ。 絶対そうだ。 バスに乗る気がさっぱり失せた。 チャージもしないで裏道を使って歩いて帰ろう。 今日は涼しいいい気温だしたまには運動もいい。 薬研と一秒でも同じところにいるもんか。 頭はかっかしてそう心中で怒鳴り散らすのに、何故かあたしの目元は熱かった。 こぼれた雫を乱暴に拭って、あたしは歩き出した。 [newpage] 歩かなければよかった。 時すでに遅し。 まったく人のいない道は薄気味悪くて、お化けの類に弱いあたしは心から後悔した。 そもそも移ろいやすいあたしの感情よ。 いらいらしていれば怖くなんかないのに、涼しい道を少し歩けば冷静になれてしまう自分が恨めしい。 簡単に落ち着きを取り戻してしまう自分が腹立たしい。 こちらを見ていた薬研の顔を思い出す。 眉をひそめた咎めるような表情。 見られるだけで嫌だった。 さっき美人さんを見つめていたのと同じ瞳で見られるのが嫌だった。 ああ駄目だ考えるな考えるな!イヤフォンから流れる音楽に身を任せ、歌詞を反芻して思考回路を遮断する。 なんで薬研のことなんか考えてるんだろう。 嫌われてるってわかってるのに。 大嘘つかないでよ馬鹿」 嫌いになったら守るなんてことしない。 ずっと仲良くしよう、そんな意味もこめた約束だったのに。 「嘘つき。 薬研の嘘つき、馬鹿」 なんだ。 薬研もあたしに、よっぽど酷いことしてるじゃないか。 そう思った瞬間、なにかが頭に蘇った。 あたしの前に横たわる、…血まみれの、今より小さい薬研。 尋常じゃない出血量。 あたしは札を握り締めて、薬研の手入れを泣きながらする。 薬研はぴくりとも動かない。 戦装束が破れてしまって、綺麗な肌も傷ついて。 元気に出かけていったのに、土産は何がいいとまで言って門をくぐって行ったのに。 こんな血まみれ重傷、折れる寸前で帰ってくるなんて。 もし折れてしまったらどうするのだ。 前線で単身突っ込んでいくのは危ないから止めてと何度も行ったのに。 「守ってくれるんでしょ、約束したでしょ!俺は大将の懐刀だって言ったのは薬研じゃない!それなのに折れるようなことするなんてなんてことするのよっ!!!! 」 本体の刃こぼれを、霊力の限りを尽くして直そうとした。 その時、あたしの腕を誰かが掴んだ。 「……や、…めろ、大将…!! 」 「や、薬研?! 」 あたしの腕を掴んだのは、他ならぬ薬研だった。 体を動かすのもつらいはずなのに、なにをするのか。 「止めない!これは薬研の罰!約束破りそうになった薬研への罰なの!薬研は黙って寝ててよ!! 」 「…約束破るわけねぇだろ!やめろっつってんだ、死んだらどうする!! 」 「うるさいうるさいうるさいよ!! 」 「いいか大将、無理をしたのは悪かった、だがな、今から死ぬかもしれねぇことをしようとしてる大将を止めんのも懐刀の役目だろ、違うか!! 」 「……っ」あたしは息を詰まらせた。 薬研がこちらを睨む。 腕を放す気はないらしい。 「大将わかるか、俺の仕事は大将を守ることだ。 目の前の危険は懐刀として、全部全部取り除かねぇといけねぇんだ。 それをしてるのが俺の存在意義だ。 俺の幸せだ。 頼ってくれてんだろ?…大将」 「…や、げん」 「なぁ守らせてくれよ大将。 それに俺があんたを置いて死ぬわけねぇし、あんたの前に死んだりするわけねぇだろ」 薬研が、あたしの指に軽く唇を落とした。 [newpage] …は。 あたしは目を開ける。 頭がぐるぐるしている。 なんだ、なんなんだいまのは。 大将?幼いような薬研?札?重傷?戦装束に懐刀? 意味がわからない。 どこの時代劇だ。 だけど、意味がわからないけど、懐かしい。 温かい、心地いい。 既にとまった音楽は、あってもなくても全然聞こえなかったろう。 あたしの頭の中は、さっきの意味のわからない記憶で一杯だった。 だから反応が遅れた。 どん、とぶつかられ。 あ、と思うまもなく地面に叩きつけられる。 なに、なんなの。 頭がついていかない。 アスファルトで擦ったところが痛い。 荒い息の音に、不意に恐怖を覚えた。 見るな。 見ちゃいけない。 頭の中でそう自分が警告した。 しかしあたしは、見上げた。 夜目の利かない瞳をこらし、凝視する。 そして、なにが目の前にいるのかを認識し、あたしは悲鳴をあげた。 それは、駅でぶつかった男だった。 どうして。 どうして。 頭がそれだけを繰り返す。 体は鉛みたいに動かない。 知らない男に羽交い絞めにされている現実が何故本当のものなのかわからない。 男は荒い息で、あたしのブレザーの前を開け始めた。 そこで初めてあたしは、男がなにをしようとしているのか理解した。 思考が真っ白になる。 嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!! 「…あっ、嫌、離せ、離して、嫌ぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあっっっっ」 スカートをめくられる。 脚に手が這わせられる。 ぁ、あ、あ、 誰か助けて。 誰でもいいよ、助けてよ! そう願った瞬間だった。 体が突然引っ張られ、男から離れた。 下敷きにしていたものを失った男は、派手に顎をアスファルトにぶつけ呻いた。 そこから追い討ちをかけるように、長い脚が男のわき腹を打つ。 どすっ、と鈍い音が耳に残った。 「…柄まで通ったな」 そう低い声が聞こえて。 あたしは顔をあげた。 知ってるこの声、低くて心地いい声。 「や…げん、どうして…」 あたしが呟くと、抱えられた体が下ろされた。 意外にも、そっと。 見上げた薬研の顔は、苦かった。 辛そうな顔だった。 咎める顔だった。 「どうもこうもねぇよ、この馬鹿野郎」 薬研は顔を背けた。 はぐらかされたとわかった。 「…なんで助けてくれたの」 あたしは、羞恥心を抑えて訊いた。 ああいう場面を見られたとか、そういうのはとりあえずもういい。 大事なのは、なんで助けてくれたのか。 「…なんでって」 「嫌いなんでしょ、…あたしのことが。 それなのになんで」 「…」 「やめてよそういうの…ちっちゃい頃思い出しちゃうからやめてよ、ぅっ、」 あたしは言っていて情けなくなった。 あたしは何を言ってるの。 こんなこと言ったって、どうにも… 「約束…しただろ」 …え? あたしは薬研をまた見上げていた。 いつの間にか出た月に照らされた薬研の顔は、辛そうに歪められていた。 「…やげ、」 「早く帰れ」 「…、覚えてたの…?」 あたしの問いに、薬研は答えなかった。 「…ぇ」 柔らかな感触は、すぐ消えた。 ぱっと離され、あたしは呆然とする。 薬研の顔は、…今にも泣きそうな、弱いものだった。 「大将、…思い出してくれ」 薬研が呟いた。 「…俺が、嘘をつかない為に」 呆然としたままのあたしに、薬研は背を向けた。 その姿が宵闇に消えるまで、あたしはなにも出来なかった。

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