ダスティ アッテンボロー。 ダスティ・アッテンボローとは (ダスティアッテンボローとは) [単語記事]

伊勢大貴、ダスティ・アッテンボローへの想いを熱弁 舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These』〜第二章 それぞれの星〜(SPICE)

ダスティ アッテンボロー

ヤン艦隊の司令官であり公私ともにヤン・ウェンリーと付き合いの深い人物である。 普段の言動はオリビエ・ポプラン同様、かなり自由奔放でムライのような真面目な年配者からは素行に対して度々喝を入れられている(厳密に言うと近くで咳をされているだけだが)。 ヤンとは士官学校時代からの付き合いである日、門限に遅刻したアッテンボローを上級生でだったヤン(下級生を監督する立場にあった)が見逃してくれたのをきっかけにお互いを知り合うようになる。 私生活でもヤンと度々会っているため、ヤンのもとで養われているユリアンとも知り合いで彼の兄のような存在になっている。 その自由過ぎる性格とは裏腹に軍人としては有能で30代で中将にまで昇進している。 自由惑星同盟が消滅してしまったため中将より上の階級に昇進する事は無かったが、年齢を考えると仮に自由惑星同盟の滅亡が後10年遅ければヤンに次いで30代で元帥の称号を獲得してもおかしくなかった。 軍隊に入った経緯 アッテンボローは元々ジャーナリスト志望だった。 しかし父親と祖父の間で交わされた「最初に生まれた男子を軍人にする」という約束があったため、 アッテンボローは一般大学と士官学校の両方を受験させられる事になる。 この際、父からもらった「幸運の鍵(一般大学に落ちるよう呪いが掛けられていた)」のせいもあり、士官学校のみ合格し仕方なく入学する事になった。 人物評 あまり他人から評価を受ける人物では無かったが、ヤンが彼に戦場において重要な任務を度々任せていた事を見ても司令官として高く評価されていたと考えられる。 またヤン・ウェンリーの死後後継者となったユリアンが自らの後継者としてアッテンボローを指名しており同盟軍内から幅広く支持されていたようだ。 実際ヤン艦隊の一司令官として帝国軍の歴戦の勇将たちと互角に戦っていた事を考えると、同盟が健在だった時期まで遡っても彼に勝る軍事的才能を兼ね備えた人物は少なかったと思われる。 人物ステータス• 司令官としての活躍は幾たびもあったが、アッテンボロー自らが白兵戦を展開する事は皆無だった。 生来の自由人で士官学校でもあまり真面目に授業を受けていなかっただろう事を考えると白兵戦は不得意だったのではないか。• メルカッツやフィッシャーと言った歴戦の司令官たちが戦死していく中でアッテンボローは最後まで生き残った。 これは彼の艦隊運用の巧みさにも一因があるだろう。• 自由奔放で気さくな人柄で多くの人と交流を持っていた。 ヤンにとってはユリアン同様、何でも気軽に相談できる人物の一人だった。• ヤンがレンネンカンプの策略によって拘禁された際、シェーンコップとともにヤンを救出しハイネセンからの脱出を企てた。• ヤンには及ばないものの優れた分析能力を持っており、彼の同盟に対する不満や分析はヤンの考えるものと酷似していた。 またビッテンフェルトに対しては彼の最も嫌がるような言葉を選んで見事な挑発文を送っていた。• 権謀術数と言うよりは悪巧みを考えるのに長けている。

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伊勢大貴、ダスティ・アッテンボローへの想いを熱弁 舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These』〜第二章 それぞれの星〜(SPICE)

ダスティ アッテンボロー

この二国家の抗争は実に150年に及び、際限なく広がる銀河を舞台に、絶えることなく戦闘を繰り返されてきた。 長らく戦争を続ける両国家。 銀河帝国は門閥貴族社会による腐敗が、自由惑星同盟では民主主義の弊害とも言える衆愚政治が両国家をむしばんでいた。 そして、宇宙暦8世紀末、ふたりの天才の登場によって歴史は動く。 「常勝の天才」 ラインハルト・フォン・ローエングラムと、 「不敗の魔術師」と呼ばれる ヤン・ウェンリーである。 ふたりは帝国軍と同盟軍を率い、何度となく激突する。 ストーリー• スタッフ• 原作: 田中芳樹• 企画: 黒田康太 石川光久• エグゼクティブプロデューサー: 郡司幹雄• プロデューサー: 田坂秀将• シリーズ構成: 高木登• キャラクターデザイン: 菊地洋子 寺岡巌 津島桂• 総作画監督: 後藤隆幸• 美術監督: 竹田悠介• 色彩設計: 竹田由香• 撮影監督: 荒井栄児• 3D監督: 森本シグマ• 編集: 植松淳一• 音響監督: 三間雅文• 音楽: 橋本しん(Sin)• アニメーションプロデューサー: 磯部真彩• 監督: 多田俊介• アニメーション制作: Production I. 製作: 松竹 Production I. オープニングテーマ 『CRY』 SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki• エンディングテーマ 『光の星』 ELISA キャスト• ラインハルト・フォン・ローエングラム: 宮野真守• ヤン・ウェンリー: 鈴村健一• ジークフリード・キルヒアイス: 梅原裕一郎• ユリアン・ミンツ: 梶 裕貴• パウル・フォン・オーベルシュタイン: 諏訪部順一• ウォルフガング・ミッターマイヤー: 小野大輔• オスカー・フォン・ロイエンタール: 中村悠一• アレックス・キャゼルヌ: 川島得愛• フレデリカ・グリーンヒル: 遠藤 綾• ワルター・フォン・シェーンコップ: 三木眞一郎• オリビエ・ポプラン: 鈴木達央• ダスティ・アッテンボロー: 石川界人• ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ: 花澤香菜• フレーゲル: 古谷徹• アーサー・リンチ: 二又一成• ナレーション: 下山吉光.

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「銀河英雄伝説」アッテンボローの名言まとめました

ダスティ アッテンボロー

士官学校時代のヤン提督が、一年生のアッテンボローと組んで、戦略戦術シミュレーションのリーグ戦に参加するお話です。 一切改稿していませんので、お見苦しい部分もあるかと思います。 ご容赦いただけるとありがたいです。 あ、ちょっと腐ってます。 アッテンボローがヤン提督を好きです。 騎兵あるいは徒であれば「混在」は問題無いのですが、艦隊戦では「混在」してしまうと双方誘爆を恐れて攻撃できなくなるので「詰み」という設定です。 そこを「敢えて踏み込んだ」ダーティーな作戦ということで……• 【作戦指揮 ~shooting star~】 人類がADを使用していたより以前の事。 その際、劣勢にあったアテネ・プラタイアイの連合ポリスはスパルタに援軍を要請した。 返事は「応」と色好いものだった。 しかし、待てど暮らせどスパルタ軍は現れない。 なんと、満月以前には出兵してはならないという原始的な理由でその会戦に間に合わなかったのだ。 結果は幸いギリシャ側の奇跡的な勝利に終わったが、この例にもれず、人の迷信、あるいはもっと日常的な感情が、戦闘の過程に多大な影響を及ぼす例は少なくない。 幸運な例を取り上げたが、むしろ不運な例の方が、記録はされにくいが多いに違いない。 人の感情を考慮しなくて良いのなら、作戦は、ずいぶん楽に考案できるだろうに…… 士官学校の休暇明けには、毎回ちょっとしたお祭りがある。 全学年の生徒対象、参加自由、優勝者には成績への加点ありという、戦略戦術シミュレーションのリーグ戦が行われるのだ。 参加不参加を自由に決められるので、これまでヤンは一度も出場した事がなかった。 授業以外でまで戦争の勉強をするなんて真っ平だ、というのがヤンの言い分だった。 その癖、古い時代の戦争記録ばかり眺めているのだから、矛盾もここに極まれりというものだ。 そのヤンが、さらに矛盾の上塗りをする台詞を吐いたのは、放課後の図書館でだった。 「アッテンボロー、組んで出てみようか? 」 「はぁ? 」 古代ギリシャ戦争という大仰なタイトルの本を読んでいたヤンの横で、現代奇矯思想史などというトリッキーな本を眺めていたアッテンボローは、調子ハズレな声をあげた。 実はアッテンボローの方でも、ヤンに「組んで出ましょう」と誘うつもりでいたのだが、言い出すキッカケがなく逡巡していた。 まさに渡りに船……だったのだが、ヤンの戦歴を思い出して、急に申し訳ない気分が涌いてきた。 ヤン・ウェンリーは、茫洋とした見かけに寄らず、シミュレーションの無敗記録を打ち立てていた。 十年来の秀才と言われる学年首席を撃破した事もあり、それを評価されてエリートコースと目される戦略研究科に転科を許された「奇跡の人」だったのだ。 当然、嫉妬は悪意になってヤンの足元に燻る結果となった。 それを慮って、隠しておかなければいけない事がある。 ヤンを好きだというアッテンボローの気持ちだ…… 「俺なんかで良いんですか? どうせ組むなら、ラップ先輩の方が良いんじゃないですか? 」 ヤンと同室のジャン・ロベール・ラップは、ルームメイトと同様の道を辿ったのだが、こちらは人徳があるせいか、悪意むき出しの嫉妬とは無縁である。 まあ、多少妬み混じりの冗談は飛ぶが、うまくいなすだけの社会性があるのだ。 ヤンにはそれがない。 「うん。 ちょっと面白い戦法を思い付いてしまって。 これは、おまえじゃないとダメなんだ」 ヤンは照れくさそうに頭をかいて笑った。 子供のような無防備なしぐさ。 そういう浮き世離れしたとこがマズイんだよなぁ…… アッテンボローは、しかし、にやりと笑ってヤンの申し出を受けた。 「よし、んじゃ一丁やったりますか」 うん、と笑って応えるヤンの耳元に、アッテンボローは唇を寄せて小声で言った。 「先輩、おまえじゃないとダメ、なんて言われたら、都合良く誤解しますよ? 」 ヤンは、ははっ、と短く笑ったが、それには何も答えなかった。 夢中になるのは生徒だけではない。 まあ、ドーソン教官なる人物はその例外だったが。 彼はゴミ箱のチェックの方が好きなのだ。 ヤン・アッテンボローチームは、三回戦までを堅実な戦法で勝ち上がっていた。 トリッキーヤンにしては勝ち方が地味だと、観戦者達は囁きあったが、組んでいる相手が一年生では、精彩を欠くのも仕方がないかと、苦笑混じりに会話は締められた。 コンビを組んで対戦をする場合、目配せなどで合図が出来ないように、チームメイトとは隔離されて戦闘指揮を行うのだ。 実践を前提にしたシミュレーションなのだから、通信の妨害・傍受も設定されている。 ヤンの指示が受けられないから、別働隊として行動する際にアッテンボローが足を引っ張る羽目になっているのだろうと、それが大方の見方だった。 なにしろ、入学して一学期しか経ていないのだから、ダスティ・アッテンボローなるルーキーの実力がいかほどのモノか、誰も知らない、というのが現状なのだ。 準決勝でもある四回戦は、それらの声無き声を肯定するような辛勝だった。 艦艇の損失率五十パーセントという数字は、勝ったとは素直に評し難い数字だった。 対戦相手の艦艇の損失率は八十パーセントを超え、相対的にヤン・アッテンボローチームの勝利ではあったのだが、それにしても酷い。 経過の紆余曲折はあったが、最終的に、正面からの全軍衝突と言う消耗戦にもつれこんでしまった。 あきらかに、アッテンボローがお荷物になっている。 そう、ギャラリー達は結論付けた。 「おい、おまえら、あれでいいのか? 」 ラップは苦い顔でしかつめらしく言った。 決勝戦を前に、三十分の休憩を取っていたヤンとアッテンボローに、食事と飲物の差し入れに来たのだが、あまりに彼等らしくない戦い方に、一言文句を言ってやりたくなったのだ。 ラップは、放課後の自習で、アッテンボローとシミュレーション対戦をしたこともある。 後輩の戦闘指揮能力が決して低くないことを、彼は身に染みて知っていたのである。 「いいんだよ、あれで」 ヤンは柔らかく微笑んだ。 何かを企むような悪戯っぽい微笑みだった。 「ヤン先輩がいいなら、俺もいいってことで」 アッテンボローも調子良く言って、ラップの差し入れの紙袋を覗き込む。 中には、チーズと生ハムのベーグルサンドとブルーベリーパイ、それに炭酸がキツイと評判のレモネードが入っていた。 「おおっ、疲れた脳に染みる差し入れですね。 さすが、ラップ先輩」 目からハートマークを飛び出させそうな顔で、アッテンボローはベーグルサンドにかぶりついた。 うまい、と一声叫んで、ラップに向かって投げキッスまでしてみせる。 「気色悪いからやめろ」 むっつりと不機嫌な顔で、ラップは簡易椅子を引き寄せ腰を降ろした。 おやおや、とアッテンボローは苦笑いする。 ヤンはというと、差し入れの紙袋を抱えてぽけっと惚けている。 疲れて食欲が無いのだ。 「あれ、ヤン先輩、食べないんですか? 」 「いや、私は後でいい」 「作り立ての方が美味いですよ」 「うん、でも」 ハッキリ言わないヤンに代わって、ラップが面倒臭そうに口を開いた。 「いいんだよ。 ヤンは疲れると食欲がなくなっちまうんだ。 無理に食わせると吐くぞ」 「吐くぅ? それはちょっとヤワですね」 「繊細だと言ってくれないかな」 「おいおい、そんな話はいいから、おまえら勝算はあるんだろうな? 」 真顔でラップは言ったが、ヤンはしばしの沈黙でそれに応えた。 親切に心配してくれているようだが、何か微妙に様子が違う。 さては…… 「…………ラップ、おまえ賭けてるな? 」 「まさか」 と、即座に否定はしたものの、ぎくっ、とラップの肩が揺れるのを、ヤンは見逃さなかった。 「賭けたんですか? ラップ先輩? 」 アッテンボローも、ここぞとばかりに調子に乗った責め口調で騒ぎ立てる。 「それは酷い。 こっちは新入生の慣れない身で、先輩達の辛辣な攻撃にめげないように、必死に努力してるっていうのに、ラップ先輩は、そんな健気な俺を、賭の対象にしておもしろがっているなんて……」 演技過剰のアッテンボローの口撃に、ラップはげんなりして降参の白旗を上げた。 「うっ、か、賭けたよ。 賭けてるとも。 おまえらに、全ッッッ財産、賭けてんだよぉ……」 ほとんど泣き崩れるようにラップは言った。 ヤンの膝に縋り付くその有様は、キリストに縋るラザロのようだ。 「頼む、絶対勝ってくれ。 おまえらが負けたら、俺は、俺はぁあぁあ……」 「大丈夫だ、ラップ」 「ヤン……」 ポンッ、と優しく肩を叩いてヤンはのたまった。 「金はなくとも生きてはいける」 その時のラップの表情と言ったら、屠殺場に引いて行かれる牛だって、もう少しは明るいだろうというくらい、どん底の絶望に沈んでいた。 目の前真っ暗、というやつだ。 ああ、と力無くラップは呟き、地面に突っ伏したのだった。 決勝戦が行われるシミュレーションルームに続く廊下は、好奇心に満ち満ちた野次馬達でごった返していた。 「よう、調子がでないな、ヤン・ウェンリー」 良く知らない生徒が声をかけてくる。 応援というよりは、皮肉の方に雰囲気は傾いている。 「もう運を使い果たしたか? 」 「バカ、もともとワイドボーンに勝ったのがマグレなんだよ」 人垣を掻き分けながら進む間に、ずいぶん非礼な言葉まで投げかけられる。 誰が言っているかわからない混雑ぶりだから、言う方は普段の反感をより一層濃密に言葉に込めて来るのだろう。 稀にはヤンの味方をするような声も含まれていたが、それはアッテンボローを非難する種類のものだった。 「どうせ下級生が足引っ張ってんだろ? 」 「ルーキーには荷が重いぜ」 「引っ込んでろ、チック!」 ヤンは、それらの声にアッテンボローが傷付いたのではないかと、不安げな視線を後輩に向けた。 しかし、アッテンボローは野次など素知らぬな顔で、前を向いて堂々と歩いている。 「せいぜい頑張れよ」 「期待してるぜぇ」 囃し立てる声に混じって、更に陰険な響きで、 「ヤンは逃げ上手なだけの卑怯者だ」 という声が聴こえた時には、さすがにアッテンボローがいきり立った。 「誰だ? 今言った奴、出て来い!」 「よせ、アッテンボロー」 「でも先輩……」 「毎回こうなんだよ。 リーグに出場すると、決勝戦で罵声という名の応援を受けるのさ。 みんな本気じゃないよ」 そうだろうか、とアッテンボローは思った。 ヤンは、いつもの少し困ったような微笑を浮かべているが、その表情からは何も読み取れない。 平静にも見えるし、傷付いているようにも見える。 戦略研究科のエリート達も、試験で成績及ばずに他の科に流れた者達も、みんな、ヤンの境遇と、一部にだけ突出した才能に嫉妬しているのだ。 これから一生、軍隊という枠の中で競争していく関係なのだ。 少しでも優遇された者が目障りなのは当然の心理だった。 つまらない嫉妬からこの人を守ってあげたい。 いや、何もかもから、守っていきたい…… アッテンボローは、ヤンから視線を逸らした。 じっと見ていると、ついウルッと来てしまいそうで…… 不意に、ポンッと、軽く肩を叩かれた。 逸らした視線をもう一度向けると、ヤンはふんわりと笑い、 「いいんだよ、アッテンボロー。 勝って悔しがらせてやれば、ま、とんとんさ。 どうせ、こいつら、私達の対戦相手の方に賭けてるんだから」 呑気な声でそう言った。 ペールグレイの硬質な印象の扉を開けると、対戦相手はすでにシミュレーションコンピューターの前に仁王立ちしていた。 マルコ・クラウディウスとニザール・ムスタンシルという最上級生の秀才コンビだ。 成績は抜きつ抜かれつ、しかし二人で常に首席と次席を独占するという、仲が良いのか悪いのか不思議な関係である。 前回、前々回のコンビシミュレーションのチャンプでもある。 「作戦の打ち合わせはもうできているかね? 」 ようやく人込みを抜けて入室してきたヤンとアッテンボローに、気の毒に、という雰囲気の笑みを向けながら、審判のリヴィングストン教官が声をかけてきた。 まだ二十代後半で、好青年、という紹介文句が良く似合う。 ふたりが無言で頷くと、よし、となぜか嬉しそうに頷き返した。 「では、ピットに入って。 分かっているだろうが、以後のパートナーとの会話は通信艇を使って行うように。 無線通信は全て筒抜けになるぞ」 「はい」 全員が、壁で仕切られた狭いピットに腰を落とした直後、思い出したようにリヴィングストンは言った。 「そうだ、司令官はどちらが務める? 」 声はヤンに向けて発せられていた。 これまでの四戦全て、ヤンが司令官、アッテンボローが参謀だったので、ヤンに訪ねるというのはごく自然な行動だった。 チラリとディスプレイに目をやると、相手は、どうやらクラウディウスが司令官のようだ。 「私です。 私が司令官を務めます」 ヤンの返答は妙にキッパリとしていた。 リヴィングストンは、それが意外だったのか、一瞬、虚を突かれたような顔をしたが、 「まあ、そうだろうね」 例の嬉しそうな笑顔で、ふたたび深く頷いたのだった。 決勝戦は開始された。 実践を想定したシミュレーションとはいえ、リーグ戦というゲームである以上、戦闘開始時の戦力は両軍同数である。 祭のフィナーレを飾る決勝戦に相応しく、その陣容は戦艦総数三万五千隻。 壮観な戦列だ。 ちなみに、大型空母、戦艦、高速巡航艦、宙雷艇、砲艦、小型戦闘艇に始まり、連絡艇、ビーム砲のエネルギー、核融合弾に至るまで、きっちり同数である。 一八三〇時、戦略戦術コンピューターの合成音声が戦闘開始を宣言した。 ごく平凡な陣型で戦端は開かれた。 ヤンは右翼を下げ左翼を前に出して斜傾陣を張り、敵を引きつけながら前線を打ち崩していくという伝統的な戦闘を仕掛け、包囲陣を敷こうとしているかに見えるが、クラウディウスはそれに乗らない。 同様の陣を張り、様子を伺いながら慎重にヤンの左翼を削っていく。 ごく軽微な被害をお互いに与えながら、戦況は一時膠着したかに思えた時、アッテンボローが突如、二千隻の別働隊を率いて右翼前部から進発した。 待ってました、とばかりに、クラウディウスもこちらは六千隻の別働隊をムスタンシルに指揮を委ねて、左翼後部から分離させる。 少数のアッテンボロー艦隊を三倍の戦艦で捕らえ潰してやろうという目論見だ。 しかし、突出したアッテンボロー艦隊を捕まえようとするが全く追い付く事が出来ない。 それどころか、距離が開くばかりに見える。 アッテンボローの別働隊は、高速巡航艦と高速軽量の砲艦のみで編成されていた。 最初、アッテンボローの艦隊はスピードだけを頼りに、ただ、やみくもに逃げ回っているように見えた。 「何やってんだ、鬼ごっこじゃねえだろうな」 「坊やに参戦は早過ぎたんじゃねえか」 醜態ともとれるアッテンボローの艦隊運用に、無遠慮な野次が投げ付けられる。 悪意のたっぷり籠った嘲笑が、巨大モニターのあるロビーを包んでいた。 独り、ラップだけがアッテンボローを応援している。 「負けるなよ、アッテンボロー。 おまえの実力はこんなもんじゃないハズだろう」 一方、ヤン三万三千隻 対 クラウディウス二万九千隻という本隊同士の戦闘は、多少ヤンに有利に展開していたが、特に目立った変化はない。 お互いの左翼をちまちまと削る見る所の無い戦況だ。 と、その時突如、逃げ回っていたアッテンボローの別働隊が、ついにムスタンシル艦隊に追い詰められ逃げ場を失った様子で、クラウディウス本隊の左側面に突っ込み始めた。 「なにやってやがる、一年坊主ッ!」 「ふざけるにも程があるぞ」 「やめちまえ」 「引っ込め、へぼ野郎ッ!」 野次は高波のうねりのように激しくなっていく。 アッテンボロー艦隊の高速巡航艦は、自陣と敵陣の衝突回避システムに助けられて、バラバラに分散されながらも、なんとか衝突による全艦爆発は免れていた。 多少の犠牲は出てしまったが、巻き込まれて撃沈した艦数は、クラウディウス艦隊の方が多い。 「バカが…… これでどうやって戦闘を継続するんだ? 」 「ヤンが撃てば、味方に当たるぞ。 良い盾になるじゃないか!」 しかし、驚いた事にヤンは、躊躇せずに砲撃を続けたのだ。 しかも、先刻までの消極的な姿勢を捨てて、距離を詰めながらの全面攻勢に撃って出た。 本隊の間近でその危機に接したムスタンシルは、さっきまで追いかけていたアッテンボローの部隊は無視して、ヤンの本隊右側面を突こうと、艦隊を移動しながらの方向転換を試みた。 その瞬間、突入せずに残っていたアッテンボロー旗下だった高速軽量の砲艦が、急遽反転してムスタンシル艦隊に突入しながら砲撃を始めたのだ。 それは、あらかじめタイミングを計ってプログラムされていた作戦行動だった。 回頭中だったムスタンシル艦隊は混乱し、アッテンボローの置き土産に必死で対応せざるを得なくなった。 「なんだ? 何が起こってる? 」 「わからん、一年坊主が何か妙な事を……」 「なにをやって……」 あっ、とその時、モニターに見入っていた全員が息を飲んだ。 上級生も下級生も、教官達までが、等しく驚愕の反応をした。 自爆、誘爆、誘爆、誘爆、そしてまた自爆。 高密度の中でのエネルギーサイクロンが精密に再現され、誘爆の連鎖は無限に続くかに思われた。 そして、ついには、アッテンボローの旗艦までもが、その混乱の嵐に飲み込まれてしまった。 耳障りな警鐘音が響く。 ディスプレイに被害を報告する文字が点滅し、コンピューターのオペレーターが無機質な声で告げた。 「ダスティ・アツテンボロー、戦死。 食い入るように見詰めても、結果は変わらない。 アッテンボローの艦隊は全滅したのだ。 低いどよめきが会場を満たしていた。 「アッテンボローは作戦を完璧に遂行してくれた。 見事に、まんべんなく穴が開いた」 あとは、敵に部隊を再編される前に、薄くなった陣容を、ただ正面から押し潰せばよい。 「全艦、最大戦速で突撃。 U字型陣に編成しつつ、半抱囲で殲滅する」 重厚で正統な陣型から繰り出されるヤンの攻撃は苛烈で、クラウディウスは防御の薄い箇所に次々に穴を広げられ、指揮系統は断絶、孤立した戦隊は反射的な反撃をするにとどまり、それはほとんど意味をなさなかった。 アッテンボローの自爆に巻き込まれたとは言っても、一割程度の被害で済んでいたはずのムスタンシルも、最初は必死にクラウディウスの本隊を支えようとしたのだが、本隊に近く陣取り過ぎ、本隊と共に包囲され、その混乱に巻き込まれて、すでに持ちこたえられなくなっていた。 別働隊として機能できなければ、ただの分断された戦列の一部だ。 戦闘は、もはや殲滅戦の様相を呈していた。 クラウディウス・ムスタンシルチーム、損害極めて甚大。 三万隻以上のヤン艦隊に正面から叩き潰され、ついに千隻あまりにまで撃ち減らされてしまっていた。 クラウディウスもムスタンシルも、憔悴し切った表情で降伏を宣言するしかなかった。 「勝者、ヤン・ウェンリー、そしてダスティ・アッテンボロー!」 勝利を宣言する審判リヴィングストンの声は、高らかに響き渡った。 「勝った、勝ったぞッ!」 ラップは、ロビーのソファから飛び上がって叫んだ。 興奮で、握りしめた指先まで熱くなっている。 ヤン、アッテンボロー、見事だった! ラップの叫びを皮切りに、歓声があちこちで沸き起こる。 ロビーにいた二割程度の生徒が拳を握りしめて、ヤァッ、とか、イアァッ、と意味の無い吃声を上げ口笛まで吹き始めた。 彼等は、つまり、ヤンとアッテンボローに賭けていた少数派だろう。 賭の儲けは、五七〇パーセント! 普段は目障りなヤン・ウェンリーだが、今は抱き締めてキスしてやりたいくらいだ。 「ヤン・ウェンリーがやってくれた」 「トリッキーヤン、健在だ」 「アッテンボローもやるじゃないか。 あいつ、自分が戦死してまで戦闘を勝利に導きやがった。 イカス坊主だぜ」 「とにかく、やったよ。 明け透け過ぎた少年は、仲間達からジロリと妬みの視線でひとなでされて、ごまかし笑いを浮かべた。 とにかく、ヤンとアッテンボローは優勝したのだ。 しばらくは学内で「英雄」と、もてはやされるだろう。 しかし、さしあたって二人がせねばならなかったのは、教官の質問に答えるという面倒な作業だった。 この戦歴は成績に反影される約束になっている。 だから、どのような構想に基づいて戦闘を組み立てたか、船艦運用のいちいちについてどのような意図があったのか、細々と説明する義務が、勝者にはあったのだ。 質問に当たったのは、審判を務めたリヴィングストンともう一人、生真面目そうな初老の教官である。 最初に口を開いたのはポターニンである。 「まず聞きたいのは、今回のリーグ戦全体を、ひとつにまとめて組み立てていたのか、という事だ。 一戦毎に対応したようには、見えなかったが? 」 アッテンボローに軽く肘を突つかれ、ヤンは照れたように答え始めた。 「はい、まあ、そうです。 準決勝までは、アッテンボローに適当に足を引っぱるように頼みました」 「本気で足を引っ張ると困るんで、加減が難しかったですよ」 調子良くアッテンボローは口をはさんだ。 気難しいと評判のポターニンだったが、アッテンボローのその軽い態度に、特に気分を害した風も無かった。 しかし、視線はヤンに向けて、質議を続ける。 「そうか、成程、アッテンボローが実績の無いルーキーである事を利用したんだな。 無能に見せ掛けて、油断させたか? 」 「はい、そんなところです」 ヤンは、真直ぐに見つめられて居心地悪そうに頭をかいた。 そう大層な作戦でもなかったのだが…… 「アッテンボロー、君は? あの逃げっぷりは堂に入っていたが、あの逃走経路は予定されていたものかね? 」 「最終的な目的地は、司令官の命令通りです。 あとは、アドリブというやつで」 はははっ、と笑うアッテンボローの背中を、リヴィングストンが勢い良く叩いた。 親愛の情を込めた一発だったが、まさかと油断していたアッテンボローには、強烈な打撃になってしまった。 ゲホゲホと咳き込むのをリヴィングストンはまるで気にせず、カラカラ笑う。 「そうか、よくやったな。 あの擬態は見事だった。 私達にも、君は追い詰められて逃げ込んだようにしか見えなかったよ」 お誉めに預かり、と中途半端に言って、アッテンボローはまた咳き込んだ。 「戦死については、どう考える? 」 ポターニンの言葉はヤンに向けられていた。 アッテンボローをチラリと見、ヤンはなんとも言いにくそうに言葉をついだ。 シミュレーションの中での作戦とはいえ、アッテンボローを戦死させてしまったのだ。 犠牲の上の勝利を正当化するのは、申し訳ない気分だった。 「戦闘は、全体で勝っていれば勝利です。 例え司令官が戦死しても、それで負けにはならないのが、民主主義の軍隊でしょう? すぐに部下が指揮を引き継ぎ、戦闘は継続されます。 あるいは、その指揮官の交替が有利に働く事もあるかも知れないと、私は考えます」 それは、奇妙に予言めいた台詞だった。 「大昔の戦争は大将の首をとった方が勝ちでしたがね」 ヤンは、冗談めかして、余計な言葉を付け加えた。 ポターニンは一瞬眉を顰めたが、責め立てする程の事でも無いと割り切ったのだろうか。 これで質議を終了すると言ってくれた。 「あとは特に問題無い。 君達に今学期の戦略シミュレーション、Aプラスを約束する」 教官二人は、優勝者に敬意を込めて敬礼を施した。 「ありがとうございます」 ふたりが敬礼を返した時、制服の真新しい一年生の集団がシミュレーションルームに乱入してきた。 ガヤガヤと、アッテンボローに向かって声をかけながらだ。 「やったな、アッテンボロー」 「すごいじゃないか、最初から目立ち過ぎだぞ」 「バーガー奢るよ」 「こいつ儲けやがったな」 「バカッ、何言ってんだよ」 喧噪は益々激しくなり、ヤンに未練の視線を投げるアッテンボローを、無理やり引き摺って行ってしまった。 やれやれ、あいつ、意外と人気あるんだな…… ヤンは、入口にラップの姿を見つけ、苦笑しながら頭をかいた。 多分、これからラップは酒を奢ってくれるだろう。 自分が稼がせてやった賭の儲けで。 まあ、遠慮なく頂くとするか。 「待ちたまえ。 もうひとつ、質問したい事がある」 引き上げようとするヤンに、ポターニンが低い声をかけた。 それは、ヤンだけに聞こえる微かなものだった。 「はい、なんでしょうか? 」 「君は、あの作戦を実戦でも使用するつもりかね? 」 苦虫を噛み潰したような顔をポターニンはしていた。 「まさか。 そんな事不可能ですよ」 それは即答だった。 ヤンは、あの作戦はシミュレーションだからこそ有効なのだと、充分理解していた。 だいいち…… 「実戦の船艦には生身の人間が乗り込むでしょう? 無人艦では敵に対応した素早い行動はできませんから、有人艦であることは必須条件なんです。 でも、まとめて二千隻、全て自爆させる作戦なんて、その何十倍、何百倍の将兵達に受諾されるハズがありません。 まあ、良くて全艦逃亡じゃないでしょうか? 悪くすれば反乱が起こって、たぶん、司令官は殺されますね。 激発した部下達によって」 最後の台詞は自嘲混じりだった。 苦いものが胸に広がっていく。 決死部隊なんて、現実で編成しようとする者がいたら狂気の沙汰だ。 そこまでいくような戦争はすでに負けている。 それに、実戦でアッテンボローを見殺しにするなんて、考えただけでも嫌だった。 「そうか、それならいいんだ」 穏やかな声だった。 ヤンは顔をあげ、驚いて目の前の教官を見つめた。 「君が良い生徒で、いや、良い人間で良かった」 ポターニン教官は笑っていた。 それは気難しいなどと評される人物にはとても見えない、晴れ晴れとした、とても優しい笑顔だった。 「ヤンウェンリーも良いが、アッテンボローの方も、なかなか面白いニューフェイスのようだな」 ポターニンは、年若いリヴィングストンに向かって呟いた。 「逃走の仕方も巧みだったが、目を見張るのはムスタンシルに攻撃を仕掛けた四百隻程の無人艦の迎撃プログラムだ。 よくも、ああ、見事に回頭のタイミングを読んだな。 それに、混乱に乗じて、自爆させる船艦をクラウディウス艦隊の中にまんべんなく散らばらせてしまった早業も素晴らしい」 「小狡いと評価した教官もいましたよ」 「いいんだよ、それで。 狡いというのも才能だ」 リヴィングストンは、自分が褒められたように嬉しそうに破顔した。 「ええ、そうですね。 まさに、新しい才能の台頭です」 高らかな宣言は啓示のように響いた。 宇宙歴七八六年、一月、コンビシミュレーション、リーグ戦優勝。 司令官ヤン・ウェンリー、参謀ダスティ・アッテンボロー。 アッテンボローにとって、疑似会戦とはいえ、戦闘における最初の勇姿であった。 fin.

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