それでも ハッピー エンド 小説。 敵の令嬢にTS転生した僕は、それでもハッピーエンドを望む(マージナル(旧春木直樹))

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それでも ハッピー エンド 小説

キバナがダンデに対して恋心を自覚したのは出会って2年か3年かそこらの、お互いまだローティーンの頃だった。 そしてその淡く甘酸っぱくてほろ苦い恋情はダンデ本人にはもちろんのこと、他の誰にも打ち明けられるはずもなく、自分の胸の奥深くに閉じ込めたまま早幾年が過ぎていた。 ダンデとキャンプで会ったり野良バトルをしたりチャンピオンリーグ決勝でぶつかりあったり、あるいはポケモンバトル関係なくたまたま会ったからと二人で食事をしたり。 とにかくダンデに会うたび、ダンデの一挙手一投足に「好き」と言う気持ちは強くなっていって際限がないまま、気がつけばキバナはナックルシティでトップジムリーダーになっていた。 ここまでくるともう閉じ込めた気持ちはひとりで拗れに拗れ、持て余しているというのがキバナの正直なところだった。 かといって、相談したり吐き出したりなんてできる相手もいない。 自宅の寝室でベッドに腰掛けどうしたものかと大きくて重たいため息を吐いたとき、ふとキバナの目に入ったのがデスクトップパソコンのモニタだった。 誰にも言えないならメモ帳に書き出すのはどうだろう。 膨れ上がってあまりに肥大した恋心にひとり振り回されて疲れ果てたメンタルで、ふとそんな風に魔がさした。 ……魔がさした、としか言えなかった。 ふらふらと誘われるように座り心地にこだわって購入したオフィスチェアに腰掛けて、パソコンを立ち上げ一度書き出してみると、キーボードの上を滑らかに指が踊り出した。 ジムリーダーになってから、一介のジムトレーナーだった頃より格段に増えた書類仕事に慣らされたブラインドタッチが画面に文字を吐き出していく。 最初はただの感情の羅列だったものが、いつしか物語めいてきた。 仕事でナックルシティを訪れたダンデと当時見つけた、隠れた名店のバルで食事をしたときに、店の名物の串焼き肉を食べながら掛けられた言葉。 ワイルドエリアのげきりんの湖近くでキャンプをしたときのカレーの味。 3回目のチャンピオンリーグで決勝戦を勝ち抜きダンデに挑んだときのあのバトルで、4体目のポケモンが放った一撃の高揚感。 あのときあの場所の鮮烈な感情が、描き出すたび次から次に思い起こされた。 ——それ以来、寝る前に自分のパソコンにダンデへの、見せる予定もない告白を書き記すことがキバナの日課になった。 そんなテキストファイルがそろそろ50を超えたあたりでやっとキバナは我に返った。 デスクトップにずらりと並んだ. txtアイコンを見て、キバナは素直に正気の沙汰じゃねえな、と思った。 いやまあ、確かにメリットは大いにあった。 まず拗らせすぎて鬱屈すらしていた恋心を自制することができるようになったこと。 膨れ上がって弾けそうだった気持ちが落ち着いた。 少なくともダンデとの野良バトルでのひどい高揚感に任せて「愛してるぜ!」などとおぞましいことを叫びそうになることはなくなった。 また文章に起こすために公式戦のテレビ中継の録画や野良バトルのスマホロトムの録画データを見返しながら客観視するようになった。 これまでもバトルの反省のために見返すことはしていたが、そのときの自分の心情だとかダンデの反応だとかを加えて文章に書き起こすというステップを挟むことでより冷静に振り返ることができるようになった。 これによって、その時どうすることが最善だったか?という考察を行い、またそれを脳内シミュレートして実用できそうなら実際のバトルで試行するまでに至った。 今日は久しぶりにダンデと野良バトルをしたが、その考えた一手が効果的に作用したし、ダンデの表情を変えることもできた。 まぁ負けたけどな。 手ごたえはあったがやっぱり悔しい。 そしてデメリットはこのテキストファイルそのものだ。 バトルの考察にも使っているものではあるし削除するのももったいない。 かといってこのままでは将来的に黒歴史になりそうだ。 パソコンごとジュラルドンのラスターカノンで破壊するしかなくなりそうな気もする。 どうしようかなぁと考えながらも、手慰みにスマホロトムでぼんやりネットサーフィンに興じていた。 キバナはポケモンバトルで強くなるために情報収集するのは嫌いじゃないしむしろ好きなのだが、いかんせん本というものが、特にハードカバーのいかにもといった感じのものが、なんとなく堅苦しくてよそよそしくってちょっと構えてしまうのでどうにも食指が動かない。 どちらかというとネットで個人のブログやニュースサイトの特集なんかを参考にする方が手軽で好きだ。 まあとんだデマゴギーであることもザラにあったが、それも含めて情報を取捨選択していくのもまた楽しい。 だから今も検索窓にポケモンの名前と技を入力して良さげな記事を漁っていた。 画面をタップするとあるサイトのページに行き当たった。 「ん?これブログ記事じゃねえな」 どうやら個人が書いたノベルのようだ。 内容から察するに続き物のなかの1話らしい。 なんとなく興味本位でそのページだけ読み進めて、それからページ最下部のロゴをタップする。 それは個人が好きに小説を投稿したり読んだりまた感想を書いたりすることのできるSNSサービスらしかった。 投稿したり感想を書いたりなどには会員登録が必須だが、メールアドレスがあれば事足りる。 登録画面の指示に従って必要事項を打ち込んでいく。 およそ1分ほどで登録は完了した。 つまるところキバナはこの大量のテキストファイルを小説として公開しようとしているのだった。 やっぱりキバナが抱える恋心は拗れに拗れたままであり、彼は正気の沙汰でない。 とはいえさすがに実在の人物そのままを——しかもかたやガラルのジムリーダー、かたやガラルのチャンピオン、スーパーヒーローだ——使ってダンデサイドに訴えられでもしたらたまらない。 だからあくまでオリジナルのキャラクターとして再構成することにした。 要は自分の恋心をエンターテイメントにしてしまうのだ。 今だってすでにキバナ自身がエンタメみたいなものだ。 ファンを喜ばせるためにポケスタグラムでオフショットを載せたりなんて私生活を切り売りしているし、ジムリーダーとしての公の場ではポケモンバトルはショウ・ビズの側面も強い。 そうでなければ大きなスタジアムが観客でいっぱいになることも、リーグ戦をガラル全土に生中継することもない。 キバナは別にそれで構わなかった。 ダンデじゃないが、ポケモンやポケモンバトルを愛するものとして自分の存在をきっかけに興味を持ってくれるのなら、それはガラルのトレーナーが最強になる第一歩になるかもしれない。 つまるところ自分の恋心だってエンターテイメントにしてしまえば、叶う望みもない鬱屈とした絶望だって、少しはマシになるんじゃないかと思ったのだった。 そういうわけでそのノベルサイトにオリジナルキャラクターとして改稿した小説を1日1話ずつ載せていくことにした。 誰も読まないだろうと思っていたが新着ページに載ることで目をひくのか、1日数件はアクセス履歴がついたので、なんだか少しだけ愉快な気分だった。 投稿を始めて2週間ほど経ったある日。 いつものように更新しようとノベルサイトにログインしマイページを開いたところでキバナは自分の目を疑った。 それまで1日2桁程度だったアクセス数が一気に4桁近くまで増えていたのだから当然とも言えた。 作品へのコメントも2桁を超えている。 何がどうしてこんな自己満足のかたまりでしかない小説がバズったのか、まさか身バレしたのかと震える手でクリックすると、同じような感想が並んでいた。 抜粋するとこんな感じだ。 『なんでこの小説がBLカテゴリーに入れられているのか謎なくらいバトル描写が上手いですね』 『ポケモンバトルがめちゃくちゃリアルで引き込まれた。 臨場感半端ない。 悲劇のヒロイズムめいたBL描写は余計。 くどい』 『BL要素いらねえ。 純粋なバトルものとして読みたい』 『これってガラルのダンデとキバナがモデルですか?手持ちとか技構成とか一緒ですよね。 それにしてもバトルについてよく研究されていると思います。 これからも頑張ってください。 BLは苦手ですが楽しく読ませてもらいました』 「なんっっっでだよ!!!!!」 思わず吠えてしまった。 普通のアパートなら近所迷惑で壁ドンされるレベルだった。 ジムリーダーとしてポケモンたちを家の中でもボールから出すために防音にはこだわっているので苦情がくることもないだろうが。 そもそもキバナが住んでいるのは一軒家だ。 バズった原因を調べてみると、どうやらノベルサイトにアップされた小説を紹介している個人ブログの記事にされていたらしかった。 そこでもとにかくポケモンバトルの描写が絶賛され、恋愛描写に必要性を感じないといった旨の記事が書かれていたので思わず頭を抱えた。 というか元ネタがやっぱり特定されている。 指摘の通りポケモンバトルに関しては元の文章から手を加えていないから、詳しい人間にはわかるだろう。 そこについては否定も肯定もせず、とりあえず読んでくれてありがとうという当たり障りのない返信を書いておいた。 一度バズったことによってブーストがかかったのか、こまめに毎日更新していることも手伝って閲覧数はさながら倍々ゲームのごとく増えていった。 ついにはサイト内のランキング1桁にまで食い込む始末。 キバナにはなんだかおおごとになっているような気がしてならなかった。 もはや閲覧者にはダンデとキバナをモデルにしていることは周知の事実と化していた。 マジでダンデサイドから訴えられたらどうしよう……。 いやダンデ をモデルにしたキャラクター についてヘイト的な発言はしていないし、ていうか惚れてるんだからそんなことするわけないし、たぶんダンデに関してはイメージを下げるような描写はないはずだし、あくまで無料のwebサービスに投稿してるだけだから金もからんでないし、問題があってもいきなり訴えられることもないよな、多分……。 怒られたら謝って削除しよう……。 などと考えつつも、何も言われないのであればこのまま続けようとも思っていた。 血迷っていた末の行動とはいえ一度始めたことを途中でやめるのは座りが悪い。 幸いにして貰える感想にも徐々に『主人公の恋を応援してます』的な、恋愛描写に好意的なものも増えてきた。 ……いやよかったのか?結局現実では実るはずもないんだがな……。 とちょっと感傷的になってしまうキバナだった。 「キバナ様、これご存知ですか」 ある日のナックルシティジムにて。 今日も今日とて書類仕事をこなすために執務室でデスクトップの画面とにらめっこしていたキバナは、リョウタに彼のロトムスマホの画面を見せられた。 表示されていたのはここ数ヶ月毎日のように見ているwebサービスのUIデザイン。 そしてそこに羅列された嫌という程見慣れた文章。 その内容を理解して危うく「ヒョエ!?」と奇声をあげそうになってぐっと堪え、何食わぬ顔で「えー?なんだよコレ」とヘラリと笑ってみせた。 背中にはダラダラと嫌な汗をかいている。 リョウタに見せられたのは自分が毎日せっせと更新しているあの小説だった。 「ヒトミが友人に教えられたらしいのですが、この小説キバナ様をモデルにしたものなんですよ」 「へぇ、そんなモンがあるなんてオレさま愛されてるなぁ」 「いやそれが……その……主人公がライバルに片想いしているという内容でして」 「フーン……まあそういうのが好きなヤツもいるだろうよ」 ぺらぺらと白々しくも会話を続けているがキバナは嫌な汗が止まるところを知らなかった。 これどういう方向に着地するの?このまま続けたらうっかりじばくしそうでオレさま怖いんだが……。 「キバナ様が気になさるようでしたら、風評被害で正式に作者を特定し訴えても良いかと思うのですが」 「いいっていいって。 そんなのきっとキリがないぜ」 訴えるもなにも作者はキバナ本人である。 もうさっさとこの話題を切り上げてしまいたいがいきなりシャットアウトするのも普段のキバナの態度からすればあからさまに不自然だろう。 ある意味ポケモンバトル並みにどう対応すべきか思考をめぐらせている。 「そうですか……。 実はこの小説私も読んだのですがとにかくポケモンバトルの描写の妙が素晴らしいんです」 オマエもかリョウタ。 その感想、更新のたびに増えて今じゃ累計3桁を超えそうだぜ。 まあなんたって書いているのは一流ポケモントレーナーだからな。 ははは。 キバナは内心で半笑いを浮かべる。 「そうなのか、そりゃすげえな。 オレさまも読んでみようかな」 大して興味もなさそうな、いかにもどうでもよさそうな、そんな風を装ってキバナは返す。 心臓が痛い。 胃もキリキリと引きしぼられるようだ。 「おそらく実戦でもかなりの腕だと思われますし、一体何者なんでしょうね。 このナックルシティジムのトレーナーに勧誘したいくらいですよ」 何者ってそりゃあオレさまだもの。 かなりの腕だと思うぜ。 なにせガラルのトップジムリーダーさまだからな。 とは言わず、「ただのポケモンバトルマニアでこの辺に住んでるとは限らないんじゃねえか?」と返してみた。 「いやこれはこのナックルシティに住む人間でないと書けない小説ですよ。 地元の人間しか知らないような店の名物料理まで出てきてるんですから」 「へぇ〜……そうなんだ。 いつか見つかるといいな」 キバナは引きつりそうになる頰を抑えるのに必死だった。 何の気なしに書いた一文で居住地が特定されかかっている。 これ実はリョウタにバレててカマかけられてるとかだったらどうしよう……。 「ええ、いつか見つけ出してジムトレーナーに勧誘したいと思います」とキラッキラの眩しい笑顔で執務室を後にするリョウタを見送るので精一杯だった。 リョウタから話を振られてほどなく、ガラルのジムリーダーたちからもやはりメールなどでくだんの小説についての話題がひっきりなしに送られてくる。 面白がるようなからかうような文面のものもいれば純粋にキバナの風評被害を心配しているものや、はたまたポケモンバトルについての考察が素晴らしいから一読の価値はあると思うというまさにジムリーダーらしいバトル馬鹿もいた。 それらに適当に 見えるけれど墓穴を掘らないように必死に 返事をして、やべえよめっちゃくちゃ大ごとになってるじゃねぇかと布団をかぶってうずくまった。 不幸中の幸いといえば、ダンデからはそれについての連絡が来ていないことだ。 さらにはノベルサイトに登録したメールアドレスにも、ダンデサイドからの警告メールは届いていない。 ダンデが把握していないだけか、もしくはどうでもいいと思っているかのどちらかだろうなとキバナは思った。 恋心を小説として昇華するようになって久しいが、現実ではダンデはキバナではない相手に敗れてチャンピオンを辞していた。 それでもなおリーグ委員長としてもバトルタワーのオーナーとしても、チャンピオンだった頃よりさらに多忙を極める男だ。 こんなくだらない、ライバルからの片想いの詰まった低俗なエンタメ小説なんて読む価値もないだろう。 ダンデはどうにもどこか浮世離れしているというか、あまりインターネットに精通しているイメージもない。 できればそのまま知らないままで、結婚するなりなんなりしてほしい。 キバナは布団で作った暗闇の中でそんな風に考えて、久しぶりに恋心に振り回されて落ち込む感覚を味わった。 ……どれくらい経っただろうか。 そういや今日分の更新がまだだったなぁとかぶっていた布団をはいだところで来客をつげるインタフォンが鳴った。 そんな予定はなかったし、今通販しているものなども心当たりがない。 一体誰だろうかと考えながら、どこか気分の浮上しないままぼんやり廊下を歩いて、インタフォンの画面も見ずにドアを開けた。 「やぁキバナ。 久しぶりだな」 ダンデが笑顔で立っている。 反射的にドアを閉めそうになった右腕をかろうじて押しとどめ、「おう、久しぶり」と笑顔を見せた。 拒絶したかったわけじゃない、今の今まで打ちのめされていた恋心を向ける相手がいたから、ちょっとびっくりしただけだ。 叶わないのはわかっていても、それはそれとしてやっぱり会えれば嬉しい。 かたやシュートシティ在住、かたやナックルシティ在住。 同じガラルに住んでいるとはいえ、ふたつの都市の間には山一つある程度に物理的な距離がある。 加えてふたりとも多忙を極める立場にある。 会いたいと思ってもなかなか会えるものじゃない。 それがまさか、忙しさの合間をぬってこうしてナックルシティまで会いに来てくれるなんて、友人冥利に尽きるじゃないかとキバナも自然と笑顔にもなる。 まあまあ上がれよとキバナが玄関を明け渡すと、ダンデは後ろに控えていたリザードンをボールに戻してありがとうと微笑んでみせた。 なるほどどうやらこの筋金入りの方向音痴はいつものごとくリザードンの案内でキバナの住まいまでやってきたらしい。 あとでリザードンも労ってやらないとなと考えながらドアを閉めた。 つまりキバナは油断していたのだ。 「この小説、キミが書いたものだろう」 と、リビングでソファに座って、リョウタやジムリーダーたちにさんざん話のネタにされたくだんの小説の1ページを見せられるまで。 「え゜!?」 だからダンデにそう面と向かって話を振られて、リョウタにそうしたように取り繕うことができなかった。 自白したも同然だった。 「あぁ、いや、その、いや……ええと……」 めのまえがまっくらになったような、頭が真っ白になったような。 せめて否定だとか気の利いた言い訳だとか謝罪だとかそんな言葉が出てくればいいのだがもはや何も浮かばない。 「この描写力は素晴らしいな。 キミのポケモンバトルの思考の癖がよく出ていて、すぐにキミだとわかったよ」 あわをくったキバナが何も言えずにいると、追い討ちのようにダンデが畳みかけてくる。 キバナはもう涙目だ。 「キミが書いたと思って読むと、なんというか、壮大なラブレターのようで。 思わず寝る間も惜しんで一晩で最新話まで読んでしまったぜ」 「へぇ……、……………、………え?…………ん?」 ダンデの言葉を受け止めて、咀嚼して、やっと理解して、それでもなお混乱をきわめるキバナの頭には疑問符が飛び交っている。 ダンデはそんなキバナの人よりも大きな手をそっと握る。 ビクッとキバナの身体が跳ねた。 そんなキバナを見つめるダンデの表情といったら、あまいミツを100倍濃縮したようなそれだ。 こいつこんな表情もできたのかと思わずキバナの思考が明後日の方向に飛んだ。 「つまりキバナ、オレはキミを」 「ちょっと待った」 すっと真顔になったダンデが決定的な一言を言うより前に、やっと正気に戻ったキバナは反射的に遮った。 む、と肝心なところでくじかれたダンデはそれでもキバナの意思を尊重するように口をつぐむ。 「オレの勘違いだっただろうか」 「……いや、オマエが確信しているんだし、それはもう誤魔化す気はねえよ。 あの小説を書いてるのはオレさまだし、まあ小説としての体裁を整えるために誇張した部分もあるが、あそこに書いてあることは真実オレさまの気持ちだ。 偽りはない」 「じゃあ」 「でもダメだ。 だってオレさまは、その……、つまり……アレだ」 それはキバナがずっと前から決めていたことだった。 叶うことのないまま死ぬはずだった恋心が今になって随分な番狂わせを見せる現実が目の前にあらわれても。 面と向かってダンデに言うのはかなりはばかられてしまって、どうにも口が重たくなってしまう。 けれどキバナは、そうすると決めていたのだ。 「オレさまは……、あの小説をエタらせたくないんだ!」 キバナが意を決してバトルタワーの屋上から飛び降りるくらいの覚悟でダンデに言うと、ダンデはねこだましを食らったような表情になって、それからすぐに「ははははは!」と大口を開けて笑った。 「ふふ、ふふふ……、キミは本当に面白いな」 ダンデは笑いすぎて涙まで浮かべる始末だ。 「オマエとの出会いから始まって、やっと今に追いついてきて、あともうちょっとで完結なんだ……。 あの小説は、絶対叶いっこないってオレさまの鬱屈を晴らすものだから、今叶ってしまったら続きが書けなくなる……」 「わかった、わかったよ。 キミがあの小説をきちんと完結させたら、また来るから。 そのときは、続きを言わせてくれるよな」 ダンデは優しい声でそう笑って、握っていたキバナの手を解放したかと思うとそのまま抱きしめて、一瞬ぎゅっと密着してからすぐに離れる。 明らかに、今までの友人としてではない種類の好意をにじませるダンデの振る舞いに、キバナはどうにも顔が、いや顔と言わず全身が火照る。 「ああ、うん……だから、その、待っててくれ」 「わかった。 毎日あの小説を読み返して待ってる」 「それはちょっと勘弁してくれ……」 げんなりしたキバナに、ダンデは爽やかに笑った。

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それでも、ハッピーエンド(橋爪駿輝) : ソニー・ミュージックエンタテインメント

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では、いくつか思い当たる作品を、あらすじつきで紹介します。 5年3組リョウタ組 石田衣良 希望の丘小学校5年3組、通称リョウタ組。 担任の中道良太は、茶髪にネックレスと外見こそいまどきだけれど、涙もろくてまっすぐで、丸ごと人にぶつかっていくことを厭わない25歳。 For You 五十嵐貴久 映画雑誌の編集者として仕事を頑張りつつ、年上の彼とも付き合っている朝美。 若い頃に母を亡くしていたが、その後は新聞社勤めの叔母に可愛がってもらっていた。 叔母は憧れの女性、しかし恋人はいないらしい…。 その叔母が突然倒れて亡き人となってしまう。 大物韓流スターの来日を控えて日々忙しい朝美だが、叔母の遺品の中から高校時代の日記を見つけてしまう。 そこには自分の時代とは何もかも違う叔母の純粋でまぶしいほどの青春の日々が綴られていて、朝美は叔母のある秘密を知る事になる…。 クローズド・ノート 雫井脩介 堀井香恵は文具店でのアルバイトと音楽サークルの活動に勤しむ、ごく普通の大学生。 友人との関係も良好でアルバイトにもやりがいを感じてはいるが、何か物足りない思いを抱えたまま日々を過ごしている。 そんな時、自室のクローゼットで前の住人が置き忘れたと思しきノートを見つける。 興味本位でそのノートを手にする香恵。 閉じられたノートが開かれた時、彼女の平凡な日常は大きく変わり始めるのだった…。 青空の卵 坂木司 僕は坂木司。 外資系の保険会社に勤務している。 友人の鳥井真一はひきこもりだ。 要するに外界との接触を絶って暮らしている鳥井を、なんとか社会に引っ張り出したい、と僕は日夜奮闘している。 そんな僕が街で出合った気になること、不思議なことを鳥井の許に持ち込み、その並外れた観察眼と推理力によって縺れた糸を解きほぐしてもらうたびに、友人の世界は少しずつ、でも確実に外に向かって広がっていくのだった…。 仔羊の巣 坂木司 僕、坂木司とひきこもりの友人、鳥井真一との間にも、変化の兆しはゆっくりと、だが確実に訪れていた。 やがていつの日か、友が開かれた世界に向かって飛び立っていくのではないか、という予感が、僕の心を悩ませる。 そんな僕の同僚、吉成から同期の佐久間恭子の様子が最近おかしい、と相談されたり、週に一回、木工教室の講師をするようになったという木村さんからの誘いで、浅草に通うことになった僕たちが、地下鉄の駅で駅員から相談を受けたり、と名探偵・鳥井真一の出番は絶えない。 さらには、僕の身辺が俄に騒がしくなり、街で女の子から襲撃されることが相次ぐ。 新しく仲間に加わった少年と父親との確執の裏にあるものとともに、鳥井が看破した真実とは…。 動物園の鳥 坂木司 春の近づくある日、鳥井真一のもとを二人の老人が訪ねてきた。 僕らの年上の友人でもある木村栄三郎さんと、その幼馴染みの高田安次朗さんだ。 高田さんが働く動物園で、野良猫の虐待事件が頻発しているという。 鳥井は外の世界に飛び立てるのか。 他の石田衣良の作品なら「4TEEN」「6TEEN」もオススメです。 「For You」「クローズド・ノート」はどちらも日記がキーワードになっています。 特に「クローズド・ノート」は先の展開が読めてしまうかもしれませんが、グッときました。 「青空の卵」「仔羊の巣」「動物園の鳥」は通称引きこもり探偵シリーズと呼ばれています。 「動物園の鳥」のみ長編です。 短編の主要人物が次の短編にも登場したりとなかなか面白いです。 また読んでいると食事したくなります!.

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橋爪駿輝のwiki的プロフィールは?小説家?フジテレビ?ハルジオン「それでも、ハッピーエンド」とは?ファン動画は?

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霧隠 忍は一見すると普通の高校生である。 しかしそれは世を忍ぶ仮の姿であり、実は現代を生きるシノビ、霧隠一族で最も期待されている忍者の末裔なのであった。 そんな忍がある日突然異世界へのクラス召喚に巻き込まれた。 皇女から与えられた恩恵で勇者やら聖女やら魔導師やら様々なクラスが与えられる生徒達。 目覚めるとそこは、魔物蔓延る最凶ダンジョン。 そして体は脳までカラッポなガイコツ剣士。 スライムにも負ける最弱ぶりを見せつつも、リスポーンできるという不死身を活かして不眠不休で攻略を続けていると、いつしかうわさに聞くダンジョン最強の存在に! 出会いと別れを繰り返し、目指すはダンジョン最下層。 そして出会ったのは囚われの姫君……ではなく、 ドラマタかくやの最凶美少女魔王! 心通わし運命を切り開いたポンコツ骸骨剣士と歩くアルマゲドン。 ありがとうございます!! ブクマや感想、ぜひお気軽にぜひ。 皆さまの応援やお力添えで、本作は成り立っています! 時は魔法適正を査定することによって冒険者ランクが決まっていた時代。 冒険者である少年ランスはたった一人の魔法適正Gの最弱冒険者としてギルドでは逆の意味で有名人だった。 なのでランスはパーティーにも誘われず、常に一人でクエストをこなし、ひっそりと冒険者をやっていた。 実はあまりの魔力数値に測定不可能だったということを知らずに。 しかしある日のこと。 ランスはある少女を偶然助けたことで、魔法を教えてほしいと頼まれる。 自分の力に無自覚だったランスは困惑するが、この出来事こそ彼の伝説の始まりだった。 「是非とも我がパーティーに!」 「我が貴族家の護衛魔術師にならぬか!?」 彼の真の実力を知り、次第にランスの周りには色々な人たちが。 そしてどんどんと広がっている波紋。 もちろん、ランスにはそれを止められるわけもなく……。 彼はG級冒険者でありながらいつしかとんでもない地位になっていく。 現代に生きる高校2年生17歳の剣持匠真は両親と死に分かれ、一人の生活を送っていた。 そんな彼は、生まれながらの不幸体質の影響か、行く先々で不幸に見舞われる。 なので彼は、周りを巻き込まないように、友などを作らず、なるべく一人でいるようにしていた。 ある日、彼は不幸な事故によりその生涯を終えた。 意識を取り戻した時に目に飛び込んできたのは、土下座をして謝ってくる、神を名乗る美女。 この出会いをきっかけに、匠真の異世界で幸せを求める生活が始まる。 作者側としてはぜひ、作品を好きになってもらいたいので、意見や感想、誤字報告など気軽に送ってきてください。 作者だけではなく、皆さんと共にこの作品を作り上げていきたいと思います。 こんな方におすすめ! ・転生物が好き ・動物や植物が好き ・聖女が裏切られて転生する話が好き 特に三つ目の方にはドンピシャです! なろうには沢山の転生物語がありますが、その中でも植物に転生してしまう物語は初めて読みました。 勿論主人公のアウラウネは植物なので、その場から一歩も動けません。 それでも彼女の周りには沢山の生き物達がやって来ます。 生き物?……いいえ、敵です! 動けないアウラウネですが、そんな困難にも知恵を使って賢く立ち向かっていきます! しかもその撃退法が予測不可能! 『こんなやり方で撃退するのか!』と、思わず感心し、驚いてしまいます! 皆さんもドキドキハラハラしながら、植物娘アウラウネが紡ぐ物語を読んでみてください! 確実にドハマりすること、間違いなしです! めっちゃ面白い! 設定とか内容とか全部好き。 地文とセリフのバランスとか良いと思う。 下級精霊達がとても可愛い。 大精霊も好き。 裕太とシルフィの夫婦感良い。 大精霊達が裕太達を見守る感じも良い。 ストーリー的に無いような気もするけど裕太と大精霊の恋愛も見たい気もする。 でも有ったら有ったらで微妙になっちゃう感じもするのでもどかしい。 気になる点 そこまで生々しくないし、読んだ段階で二回しかないので良いんですけど風俗関係はあんまりいらないかなーと思ってしまった。 なんというか、弟子とか下級精霊が幼いので余計にそう感じてしまったのかも。 こちらで補完するので数文で良いかなーって。 やっぱり精霊との関わり?がメインだと思うので裕太1人の話はちょっとなーって思いました。 数話しかないのでストーリーのアクセントにはなってるけど。

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