バッファーの基礎知識 化学やライフサイエンスの実験を成功させるためにはpHをコントロールすることが重要です。 そのためには、バッファーの性質をしっかりと理解して利用する必要があります。 この記事では、バッファーの基礎知識であるpHとpKaの関係について説明します。 まずは基礎中の基礎、pHの定義から復習していきましょう。 pHの定義と計算方法 pHの値が小さいと酸性で、大きいと塩基性ということは知っていても、pHの定義を述べよと言われるとすぐには答えられない人もいるかもしれません。 pHは「水素イオン指数」のことで、水素イオン濃度の逆数の対数で表される数値です。 このような性質をもつバッファーは通常、弱酸とその強塩基の塩の混合、もしくは弱塩基とその強酸の塩の混合で構成されています。 たとえば、酢酸と酢酸ナトリウムを混合した酢酸バッファー、リン酸二水素ナトリウムとリン酸水素二ナトリウムを混合したリン酸バッファー、アンモニアと塩化アンモニウムを混合したアンモニウムバッファーなどがあります。 この溶液に酸を加えた場合、加えられた水素イオンは酢酸イオンと反応して酢酸となり、平衡は左方向へ移動します。 結果として、水素イオンの濃度は増加せず、pHは変化しません。 また、このバッファーに強酸を加えた場合、加えた強酸と同じ量の酢酸イオンが中和され、酢酸イオンが減少し、酢酸は増加しますが、水素イオン濃度はそこまで変化しません。 よって、pHの変化も小さくなります。 生体内における水とバッファーの役割 全ての生物学的反応は水性溶媒中で起こります。 これは、細胞の構造と機能が、水の物理的性質と化学的性質に依存することを意味しています。 水はほぼ全ての塩を溶解し、解離した陽イオンと陰イオンを水和して安定化する役割をもち、生体反応の基盤を作る極性溶媒です。 組織内には水分子と共に弱酸と弱塩基が存在します。 弱酸や弱塩基は溶液中で完全に解離せず、非解離状態である分子と解離状態であるイオンの平衡混合物の状態をとります。 このイオン化反応の指標の一つが、イオン化定数あるいは解離定数と呼ばれる平衡定数であり、弱酸や弱塩基による緩衝作用の指標でもあります。 生体内は、複数の酸と塩基がバッファーとして機能する緩衝系なのです。 酸解離定数pKaとは何か 酸の強さは水溶液中での解離のしやすさで決まります。 塩酸は、水素イオンを放出しやすいので強酸で、酢酸は放出しにくいので弱酸です。 この解離のしやすさを表す数が酸解離定数(Ka)です。 これはそれぞれの酸に固有の定数です。 逆に弱酸は小さくなります。 酸解離定数についてもpHと同じく、Kaの逆数の対数をpKaで表します。 <ヘンダーソン-ハッセルバル式の導出方法> pKaは溶媒や温度の条件が定まれば、酸に固有の値をとります。 したがって、この式を使うと緩衝液のpHを見積もることができます。 一般的に、弱酸あるいは弱塩基のpKa は緩衝領域中心のpH を示します。 等電点とpKa バッファーは可逆的に反応する弱酸(プロトン供与体)とその共役塩基(プロトン受容体)から構成される緩衝系で、両者の濃度がほぼ等しい溶液では、前述の通り少量の酸や塩基の添加はpH にほとんど影響を及ぼしません。 このようにプラスの電荷とマイナスの電荷がちょうどつりあっている点を等電点といいます。 等電点では正味電荷がなく、pH = pKa となります。 等電点は物質によって違いがあるため、ライフサイエンスの研究では、等電点電気泳動などの手法で、分子量が同じで等電点が違うタンパク質を分離したり、未知の物質の等電点を測定して物質の性質を調べたりするのに利用できます。 pH に対する温度の影響 一般的に、分子の緩衝作用を考えるときは、Kaは一定であることを前提としています。 ですが、実際には、pKa は温度変化に対して一定ではなく、温度の上昇と共に値がわずかに小さくなる事が知られています。 pKa の変動はpHにも影響を与えるため、正確な水素イオン濃度が要求される生体システム中において、温度は非常に重要になってきます。 下の図は、リン酸バッファーのpH の温度による影響を示しています。 84です。 小さな差異に見えるかもしれませんが、このわずかな変化が、生体内の化学反応に大きな影響を与えます。 バッファー使った実験をするときは、pHだけでなく温度にも気をつけるようにしましょう。 以上、pHとpKaについて復習しました。 実験がどうしてもうまくいかないときは、原点に返って、バッファーから見直してみてはいかがでしょうか。
次の1 水のイオン積を1. の場合は・・ まず、酸や塩基の価数について。。 実は、水自体が解離していることを忘れている。 すなわち、水素イオンの濃度は 2. pHは、6. 52 でしたね。 これは厳密な意味では間違っています。 なぜなら明らかに電荷が増減してしまう。 そこで、次のように解きます。 53 かな ちなみに、 1. 53 正解なら 1. 79 1. 98 1. 00 位を覚えておくと、答えが合っているかいなかの目安にはなる。 有効数字2桁でよいなら、前段の方法のほうが楽です。 A ベストアンサー 要は、「電気陰性度の大きい原子に結合した水素と、電気陰性度の大きい原子の間の静電的な引力」です。 電気陰性度の大きい原子というのは、事実上、F,O,Nと考えて良いでしょう。 水素が他の原子と違うのは、その価電子が1個しかないことです。 他のイオンの場合には、内側にも電子格殻が存在しますので、原子格がむき出しになることはありません。 もちろん、正電荷を持つ水素というのは水素イオンとは異なりますので、原子殻がむき出しになっているわけではありませんが、電子が電気陰性度の大きい原子に引き寄せられているために、むき出しに近い状態になり、非常に小さい空間に正電荷が密集することになります。 そのときの、水素は通常の水素原子に比べても小さいために、水素結合の結合角は180度に近くなります。 つまり、2個の球(電気陰性度の大きい原子)が非常に小さな球(水素原子)を介してつながれば、直線状にならざるを得ないということです。 要は、「電気陰性度の大きい原子に結合した水素と、電気陰性度の大きい原子の間の静電的な引力」です。 電気陰性度の大きい原子というのは、事実上、F,O,Nと考えて良いでしょう。 水素が他の原子と違うのは、その価電子が1個しかないことです。 他のイオンの場合には、内側にも電子格殻... A ベストアンサー 正解は、たぶん、 溶けているアルカリの種類によって変わってくるので、ななんともいえない。 でしょう。 また、公式、計算式もなくはないですが、対数、指数の計算などで、「中学レベルでも理解できる解説」はこの場では全く無理でしょう。 一応、以下のように書いておきますが、電離度、水素イオン濃度、水酸化物イオン濃度、水のイオン積、pH、対数、指数がわからなければ計算はできないのではないでしょうか。 これらを「中学レベルでも理解できる」ように解説するのは、この場でなくても困難でしょう。 7 でしょう。 正解は、たぶん、 溶けているアルカリの種類によって変わってくるので、ななんともいえない。 でしょう。 また、公式、計算式もなくはないですが、対数、指数の計算などで、「中学レベルでも理解できる解説」はこの場では全く無理でしょう。 一応、以下のように書いておきますが、電離度、水素イオン濃度、水酸化物イオン濃度、水のイオン積、pH、対数、指数がわからなければ計算はできないのではないでしょうか。 これらを「中学レベルでも理解できる」ように解説するのは、この場でなくても困難でしょう。 A ベストアンサー 蒸気圧というのは、主として常温付近で一部が気体になるような物質について用いられる言葉です。 液体の物質の場合に、よく沸点という言葉を使います。 物質の蒸気圧が大気圧と同じになったときに沸騰が起こります。 つまり、沸点というのは飽和蒸気圧が大気圧と同じになる温度のことを言います。 しかし、沸点以下でも蒸気圧は0ではありません。 たとえば、水が蒸発するのは、常温でも水にはある程度の大きさ(おおよそ、0. 02気圧程度)の蒸気圧があるためにゆっくりと気化していくためであると説明できます。 また、油が蒸発しにくいのは油の蒸気圧が非常に低いためであると説明できます。 さきほど、常温での水の飽和蒸気圧が0. 2x0. 012気圧ということになります。 蒸気圧というのは、主として常温付近で一部が気体になるような物質について用いられる言葉です。 液体の物質の場合に、よく沸点という言葉を使います。 物質の蒸気圧が大気圧と同じになったときに沸騰が起こります。 つまり、沸点というのは飽和蒸気圧が大気圧と同じになる温度のことを言います。 しかし、沸点以下でも蒸気圧は0ではありません。 たとえば、水が蒸発するのは、常温でも水にはある程度の大きさ(おおよそ、0. 02気圧程度)の蒸気圧があるためにゆっくりと気化していくためであると説明できま... よろしくお願いします。 書いてある意味はわかるのですが、なぜ1)の場合には 含まれていないのかがわかりません。 1)は水溶液内の平衡ではないということでしょうか? この2つの場合に限らず、[H2O]を質量作用の式に 含める場合と含めない場合の違いがおわかりになる方、 いらっしゃいましたら、教えてください。 よろしくお願いします。 化学平衡に関する質問です。 よろしくお願いします。 A ベストアンサー 水が反応・生成する平衡反応の場合、平衡定数には水の濃度[H2O]を含めるのが本来は正しいのです。 しかし、この[H2O]は、平衡反応に関与する水だけでなく、周囲に大量にある水も含めた濃度だということに注意して下さい。 5Mという、非常に高い濃度です。 稀薄な溶質を含む水溶液も水濃度はこれに近い値をもっているはずです。 これに対して、平衡反応によるH2Oの増減は、多くの場合、55. 5Mよりはるかに小さく、無視できるので、[H2O]を定数とみなして、平衡定数の中に組み入れてしまいます。 5Mに比べて非常に小さくて無視できるので、[H2O]は一定とみなされます。 この辺のことは、コーン・スタンプ「生化学」(東京化学同人)の第1章に詳しく説明されています。 あくまでも、水の濃度が非常に高くて、反応による増減が無視できる場合に、それを平衡定数に組み入れてよい、ということです。 逆にいえば、溶質の濃度が水の濃度に比べて非常に稀薄である場合、ということです。 おわかりになったでしょうか? 水が反応・生成する平衡反応の場合、平衡定数には水の濃度[H2O]を含めるのが本来は正しいのです。 しかし、この[H2O]は、平衡反応に関与する水だけでなく、周囲に大量にある水も含めた濃度だということに注意して下さい。 5Mという、非常に高い濃度です。 稀薄な溶質を含む水溶液も水濃度はこれに近い値をもっているはずです。 これに対して、平衡反応によるH2Oの増減は、多くの場合、55. 5Mよりはるかに小さく、無視できるので... A ベストアンサー No. 4の補足への回答です。 その場合は全濃度をそれぞれ Ca, Cb とすると、No. わかりにくい場合は補足してください。
次の水素イオンと水酸化物イオン濃度 問題を解く前に、ここで使う記号と条件を先に書き出しておきます。 でません。 それ以外の温度と水のイオン積指定が出るようないやらしい問題は捨てて下さい。 笑 その問題を捨ててもいいように他の項目をしっかり勉強した方が良いです。 (理系で化学を重視する大学や難関大学を志望する人はしっかり本試験対策して下さい。 ) 問題を解いて行きましょう。 水素イオン濃度を求める問題 0. 0 mLに、0. 0 mLを加えて良くかき混ぜた。 このとき、溶液中の水素イオン濃度を求めよ。 先ずは 0. 0 mLに何モルの硫酸があるかを求めましょう。 100 molの硫酸を含んでいます。 沈澱はできますが水素イオン濃度は変化しません。 だから硫酸から出てきた水素イオンで濃度を計算すれば良いのです。 ただし、溶液は硫酸 7. 0 mLに塩化バリウム 10. 0 mLを加えたので 17. 0 mLになっています。 この中に先計算した水素イオンが入っているので、 1000 mLに換算すれば水素イオン濃度が出ます。 0:0. このときの溶液の水酸化物イオンの濃度はいくらか求めよ。 水のイオン積を思い出して下さい。 こんな数を書くのはメンドウなので指数があるのですが一応確認しました。 問題に戻りましょう。 先程水素イオン濃度は求めたのですが、違う問題としてもう一度考えます。 問題に戻りましょう。 先程水素イオン濃度は求めたのですが、違う問題としてもう一度考えます。 この場合だと水素イオンに比べて圧倒的に少ないですが存在しているのです。 このように水素イオンが多い場合は水素イオンから逆に求めることになります。 水のイオン積を利用するのです。 ここまでできたらpHが求められるようになります。
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