下痢 アシドーシス。 低カリウム血症とともに代謝性アシドーシスを呈する原因は?【アニオンギャップ正常の場合は低栄養が原因のことがある】|Web医事新報

【新連載】28.糖尿病用薬剤の副作用 その1

下痢 アシドーシス

厳密にいえば、重炭酸イオンはアルカリ性ではありません。 ただ、体内ではpHをアルカリ性側に傾ける性質があるので、今回はアルカリ性物質として扱いたいと思います。 アシドーシス(酸性に傾いた状態) アシドーシスとは、 血液が酸性に傾いた状態をいいます。 血液が酸性に傾く要因は、『 酸性物質の増加』と『 アルカリ性物質の減少』の2つです。 酸性物質が増加する原因 酸性物質が増加する主な原因は、• 絶食・飢餓• ビタミンB1欠乏• 1型糖尿病• 腎不全• 慢性閉塞性肺疾患(COPD) です。 絶食・飢餓:ケトン体の増加 絶食・飢餓では、 脂肪酸分解の亢進によりケトン体が増加し、代謝性アシドーシスとなります。 絶食・飢餓とは、何も食べていない状態、エネルギーや栄養素を摂取できていない状態が続いていることを意味します。 私たちの体は絶食の状態が続き、 糖質が不足すると、グルコースを起点としたエネルギー(ATP)産生ができなくなります。 関連記事>> だからといって、ATPを作らないわけにはいかないので、体に貯蔵している脂肪(脂肪酸)を分解して、エネルギー(ATP)産生を行います。 ただし、 脂肪酸を分解して、エネルギー(ATP)産生した場合、副産物としてケトン体が生成します。 関連記事>> このケトン体が酸性であるため、絶食・飢餓が継続すると、 ケトン体の蓄積によるアシドーシスが引き起こされるのです。 ビタミンB1欠乏:乳酸の増加 ビタミンB1欠乏では、 嫌気的解糖の進行による乳酸の増加が起こり、代謝性アシドーシスとなります。 ビタミンB1は、解糖系からクエン酸回路への橋渡しの役割をもつ、ピルビン酸脱水素酵素の補酵素として利用されています。 つまり、 ビタミンB1が欠乏すると、解糖系からクエン酸回路への移行ができず、嫌気的解糖が進行することになります。 嫌気的解糖の最終生成物は、酸性物質である乳酸であるため、 乳酸が増加することでアシドーシスとなります。 関連記事>> 1型糖尿病:ケトン体の増加 1型糖尿病では、 脂肪酸分解の亢進によりケトン体が増加し、代謝性アシドーシスとなります。 仕組みとしては、先ほど紹介した『絶食・飢餓』と同じです。 1型糖尿病の場合、 膵臓でインスリンが合成できないため、グルコースを細胞に取り込むことができません。 インスリンインスリンは、細胞へのグルコースの取り込みを促進する膵臓ホルモン つまり、グルコースを起点としたエネルギー(ATP)産生ができないため、 脂肪酸を分解してエネルギー源とします。 その結果、 ケトン体の蓄積によるアシドーシスが引き起こされるのです。 腎臓は尿を作り、排泄するための臓器です。 腎不全となると、腎臓の機能が失われ、 尿の生成と排泄ができなくなります。 尿の中には酸性物質である水素イオンや尿酸が含まれていますので、これらの 排泄が障害され、血液中に蓄積することで、アシドーシスが起こります。 慢性閉塞性肺疾患(COPD):二酸化炭素の増加 慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、 呼気量の減少により、二酸化炭素が蓄積し、呼吸性アシドーシスとなります。 喫煙が主な原因で発症するCOPDでは、 息を吐き出すことができなくなります。 私たちが吐き出す息には、酸性物質である二酸化炭素が含まれています。 つまり、COPDでは 二酸化炭素が吐き出せなくなり、体内に蓄積することで、アシドーシスが引き起こされるのです。 アルカリ性物質(重炭酸イオン)が減少する原因 アルカリ性物質(重炭酸イオン)が減少する主な原因は、• 激しい下痢 です。 激しい下痢:重炭酸イオン(HCO3-)の減少 激しい下痢では、腸液の喪失により、 重炭酸イオンが減少し、代謝性アシドーシスとなります。 下痢になると、便の回数や量が増えます。 便のなかには、消化吸収されなかった食物(栄養素)だけでなく、腸管内に分泌された腸液なども含まれています。 腸液には、アルカリ性の重炭酸イオンも含まれているため、激しい下痢で 腸液の喪失量が増えると、アルカリ性物質が失われ、相対的に酸性物質が増えるため、アシドーシスとなります。 アルカローシス(アルカリ性に傾いた状態) アルカローシスとは、 血液がアルカリ性に傾いた状態をいいます。 血液がアルカリ性に傾く要因は、『 酸性物質の減少』と『 アルカリ性物質の増加』の2つです。 酸性物質が減少する原因 酸性物質が減少する主な原因は、• 激しい嘔吐• 原発性アルドステロン症• 過換気症候群(過呼吸) です。 激しい嘔吐:胃酸(HCl)の減少 激しい嘔吐では、胃液の喪失により、 塩酸(HCl)が減少し、代謝性アルカローシスとなります。 嘔吐をすると、胃の内容物とともに胃液が吐き出されます。 胃液には、酸性物質である 塩酸(HCl)が含まれているため、頻回に嘔吐を繰り返すと、酸性物質が失われ、相対的にアルカリ性物質が増えるため、アルカローシスとなります。 原発性アルドステロン症は、 アルドステロンの分泌が過剰となる疾患です。 アルドステロンアルドステロンは、カリウムの排泄とナトリウムの再吸収を促進する副腎皮質ホルモン アルドステロンには、カリウムを尿中に排泄するという働きがあるのですが、 カリウムの排泄と同時に酸性物質である水素イオンも尿中に捨てられてしまいます。 その結果、 酸性物質が失われ、相対的にアルカリ性物質が増えるため、アルカローシスとなります。 過換気症候群(過呼吸):二酸化炭素の減少 過換気症候群(過呼吸)では、 呼気量の増加により、二酸化炭素が失われ、呼吸性アルカローシスとなります。 過呼吸は、 息を吐き出し過ぎている状態です。 つまり、酸性物質である二酸化炭素がドンドン体の外に出て行っている状態であるため、 酸性物質が失われ、相対的にアルカリ性物質が増えるため、アルカローシスとなります。

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メトホルミンの副作用:乳酸アシドーシス【薬剤師がわかりやすく説明】

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代謝性アシドーシスとその原因:重炭酸イオンが失われすぎる場合 このページでは、呼吸以外の原因で起こるpHの変化についてみていきましょう。 代謝性アシドーシスの病態 代謝性アシドーシスは、呼吸以外の原因で体が酸性に傾きすぎてしまった病態のことです。 代謝性アシドーシスは、大きく分けて2つの原因によって引き起こされます。 それではそれぞれみていきましょう。 詳しくはに書いてあるので、まだ見ていない方はご確認ください。 35-7. 45の狭ーい範囲を保つことができるように調整してくれるものでしたね。 大きく分けて2つあります。 それでは順にみていきましょう。 ちなみに、腎臓で再吸収されなくなってしまったがために起こるアシドーシスのことを、代謝性アシドーシスの中でも特に 「尿細管性アシドーシス」といいます。

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アシドーシス・アルカローシスの症状と原因、カリウムとの関係性

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しかし、 酸塩基平衡は苦手意識を持っている人が多い部分です。 アルカリにする物質・・・腸液、重炭酸イオン。 私のように化学式が苦手な方は、これで覚えましょう! 国家試験対策で覚えるべき、酸塩基に関する体の変化は、大きく分けて4つです。 スポンサーリンク 呼吸性アルカローシス 呼吸性アルカローシスは、呼吸によってアルカリに傾くことを言います。 上記で分類した酸性にする物質、 二酸化炭素が減った時は、アルカリに傾きます。 ・過換気症候群 いわゆる、過呼吸の状態ですね!呼吸がハァハァ早くなると、二酸化炭素をたくさん吐いて体内の二酸化炭素が減り、アルカローシスになります。 呼吸性アシドーシス 呼吸性アシドーシスは、呼吸によって酸性に傾くことを言います。 アルカリに傾くときの反対、酸性物質である 二酸化炭素が蓄積した時に、酸性に傾きます。 ・肺気腫、喘息、COPD 慢性閉塞性肺疾患 などの、呼吸障害時 過呼吸の反対で、呼吸がうまくできないときに二酸化炭素が蓄積して、アシドーシスになります。 スポンサーリンク 代謝性アルカローシス 代謝性アルカローシスは、呼吸以外の原因でアルカリに傾くことを言います。 酸性の胃液が減った時や、アルカリ性の重炭酸イオンが増加した時にアルカリ性に傾きます。 ・大量嘔吐 胃酸は酸性ですよね。 嘔吐により酸性の胃酸が減少するとアルカリ性に傾きます。 ・利尿薬投与 利尿薬を使用すると、腎臓でアルカリの重炭酸イオンが再吸収されて、体内に蓄積します。 代謝性アシドーシス 代謝性アシドーシスは、呼吸以外の原因で酸性に傾くことを言います。 ・下痢 腸液(重炭酸イオン)はアルカリ性なので、下痢によってアルカリ物質が排泄されすぎてしまいます。 ・腎不全 腎臓では、水素イオンを排泄する作用がありますが、腎不全によって排泄ができなくなると酸性物質が蓄積してアシドーシスになります。 ・糖尿病性ケトアシドーシス 1型糖尿病の患者さんのインスリンが出なくなると、糖分をエネルギーに変えることができなくなります。 すると、代わりに脂肪を分解してエネルギーを作り出します。 しかし、そのエネルギーを作り出すときに出てくるケトン体は、酸性物質。 このケトン体が蓄積すると、酸性に傾き、代謝性アシドーシスとなります。 スポンサーリンク 国家試験暗記ポイント 酸塩基平衡は、国家試験でもよく問われる問題です。 覚えることは、この4つの分類!.

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