クジャク ヤママユガ。 ヤママユガ科

セクロピアサン|胡蝶の杜

クジャク ヤママユガ

天蚕は、昆虫綱、鱗翅目、カイコガ上科、ヤママユガ科、に属し、学名は Antheraea yamamai Guerin-Meneville である。 松本地方の自然条件下で4月下旬〜5月上旬頃にふ化してきた幼虫は 50〜60日間かかって盛んに食葉しながら、4回の脱皮と5つの齢期を経過して熟蚕となり繭をつくる。 営繭を始めてから7〜8日で化蛹し、8月上旬頃より羽化するものが現われ、交尾して食樹の小枝に産卵する。 屋内で環境条件を調節して飼育すると、屋外での場合より経過はかなり早まり、死ぬものが少なくなり、繭質も良好になる。 繭1粒から長さで600〜700m程度、1、000粒から重さで250〜300g程度の糸が得られる。 この糸は天蚕糸とよぱれ.光沢が優美で、太く、伸度が大きく、織物にして丈夫で、しわにならず、暖かく、手触りも良いなどの優れた特徴があり、繊維のダイヤモンドにもたとえられて珍重されている。 天蚕糸は家蚕糸に混織すると織物の衣料性能が向上することから、近年とくにこの方面での需要が多いが、ネクタイ、財布のような小物や、家具、インテリア等の素材としての用途も増えつつある。 1. 天蚕の卵、幼虫、蛹、成虫、繭、糸などの形態とその特徴は第1図のようであり、それらと家蚕とを対比した主な相違点は第1表のようである。 そのためこの表にはごく一般的な概略値を示した。 2. 天蚕幼虫の飼料樹はクスギ、コナラ、カシワ、シラカシなどである。 これらは樹齢や葉齢が進むのに伴って葉が粗硬となって、飼料価値が劣ってくるし、また害虫や病原菌なども多くなるので、5〜6年ごとに株元から伐採して、新柄の発生と樹勢の更新をはかる。 屋外育するための飼料樹の場合には、早春までに150cm内外の高さにせん定し、新梢葉を叢生させるとともに、日光の透射や通風を良くし、飼育、管理、収繭などの作業もしやすくする。 飼料樹が発芽する前に薬剤散布をして病原菌や害虫の撲滅をはかる。 落葉や下草などにも病原菌や害虫が生息しているおそれがあるので、集めて焼きはらう。 3. 1 屋外飼育 生育中の飼料樹を網でおおって、天蚕幼虫を放し飼いする方法で、飼育労力は少なくてすむが、自然の苛酷な気象条件や病害虫などの影響を受けやすいことから、作柄は悪い場合が多い。 ふ化間近かの卵を和紙に糊付けして飼育樹の小枝につけておく(第2図)か、小さい網袋に入れて小枝につるしておくと、やがて幼虫がふ化し、自ら枝上を動きまわって食葉し、成長する。 飼育樹につける幼虫数は、幼虫が繭をつくるまでのあいだ十分に食べ続けられる程度を目安とする。 葉が食べつくされてしまった場合には、幼虫を新しい樹に移してやる。 このようにして熟蚕になれば自ら営繭場所をみつけ、葉を2〜3枚づつ合わせて繭をつくる。 (2)屋内飼育 飼料葉を収穫してきて、屋内で天蚕幼虫を飼育するもので、飼料葉の収穫から、給餌、残葉の除去などの作業に多くの労力がかかるが、飼育場所の気象条件を調節したり、防疫や害虫防除をしたり、給与葉を吟味してその適量を給与することなどが行いやすいことから、作柄はかなり安定するのが普通である。 屋内飼育法には、水さし育と箱育とがある。 A.水さし育 飼育樹の葉がついたままの小枝を水の容器にさし、それに幼虫をとりつけて飼育する方法である。 卵は催青室でふ化させるので、屋外でふ化させる場合のように気温が激変したり乾燥しすぎることがなく、しかもふ化後にアリ、クモ、ハチなどに加害されることもないので、ふ化率とその後の生存率は高い。 ふ化幼虫にはとくに新鮮な軟葉を給与する。 水の容器1つあたりの枝葉で飼育する幼虫数は1齢期120頭ぐらい、2齢期100頭ぐらい、3齢期70頭ぐらい、4〜5齢期50頭ぐらいが適当である。 給与葉は3日に1回ぐらい新しい枝葉ととりかえる。 その際に幼虫は古い枝にしっかりしがみついていて離すのが難しいから、幼虫がついている枝ごと切りとって新しい枝葉に移す。 なお幼虫は高い体水分率を維持するために水分の要求度が大きいので、飼料葉や飼育室湿度などの条件に応じて、屋外の葉における朝露に準ずる程度の水を給与葉に散布してやることは 幼虫の成育を良くしたり、繭質を高めたりするうえに効果的である。 B.箱育 幼虫を箱の中で飼育する方法である。 飼育箱の材質には、木、トタン、ポリスチロールなどがあるが、ポリスチロール製が衛生的で、取扱いにも便利である。 催青室でふ化した幼虫を飼育箱内に移し、新鮮な軟葉を給与する。 新しく給与した葉に幼虫が移ったら食べ残した葉や糞などを取り除いて蚕座を清潔に保つ。幼虫の成育に適した飼育環境条件などは水さし育の場合と同じである。 C.人工飼料育 飼料葉の粉末、生大豆粉末、ブドウ糖、ビタミン類、セルローズ粉末、寒天などによって作ったヨウカン状の飼料による飼育である。 幼虫の発育齢期に応じて適当な大きさに切った飼料を1〜3齢期には2日に1回、4〜5齢期には毎日1回程度給与する。 この方法によっても生葉育の場合とほぼ同程度の飼育成績が得られる。 4. 収繭は営繭を始めてから10日以上たって、完全に化蛹してから行う。 繭は飼料葉が表面についたままの状態で集め、風通しのよい場所に1粒並べにして保護し、葉がカラカラに乾いた頃に除葉する。 羽化は営繭後1か月ぐらいしてから始まるが、その時刻は夕刻から夜半の頃に限られる。 蛾は繭から抜けだすと周囲のものにはいあがってぷらさがり、翅を展げるまでじっと静止しているから、それができやすいようにしてやる。 次いで健全蛾を雌1に対し雄1ないし2の割合で第3図のような交尾 ・産卵籠(下面の直径約20cm、高さ約15cm、網目約2cm)に入れ、下面には紙蓋をして、直射日光および夜間にも強い光線のあたらない静かな風通しの良い場所につるして交尾・産卵させる。 産卵は夜間になされ、3〜4夜にわたる。 雌蛾は産卵する際に籠の網目から尾部を突き出し、籠の外側に産みつける。 1蛾が最高250粒程度を産む。 5. 卵は産下されるとすぐに胚子の発育がはじまり、約2週間で幼虫体ができあがるが、ふ化しないでそのまま休眠に入る。 休眠後の適当な時期に籠から卵をもぎ取り、容器等に薄くひろげ、ねずみの食害などを受けないようにして、自然温度に保護する。 6. 天蚕の病虫害は、ウイルス、糸状菌、細菌、原虫などによる病害と、昆虫類などによる虫害とに大別される。 病虫害のほかに スズメ、ムクドリ、モズなどの鳥類による食害もあるが、これらは飼育林を防虫網で覆うことによって防止できる。 1)主な病虫害の特徴 A.ウィルス病 核多角体病(膿病)は病害のうち最も被害が大きいものである。 一般に壮齢期に多く発生し、罹病虫は皮膚面に黒褐色の微小斑点を多数現わして致死するのが特徴である。 致死前後に皮膚が破れ、無数の多角体を含む体液が出る。 それらによって汚染された飼料葉を幼虫が食下することによって感染する場合が多いが、幼虫の体の傷口等からウィルスが侵入して発病する場合もある。 このほかに中腸組織だけを侵す細胞質多角体病もある。 B.糸状菌病(硬化病) 糸状菌の侵入によって起こる病気で、罹病虫は硬化し、ミイラ化するのが特徴である。 この菌は適当な湿度にあうと体表面に菌糸を叢生し、やがて胞子を形成する。 病原菌の種類によって胞子の色が異なるが、黄色を呈する黄きょう病が一般に多い。 黄きょう病は感染してから発病するまで長期間に及ぶのが普通で、幼虫期よりも結繭してから死にごもりとなってたおれる場合が多い。 本菌は寄生範囲がきわめて広く、野外昆虫がその主な伝染源である。 C.細菌病 敗血症、卒倒病などがある。 敗血症は病原菌が傷口や気門から幼虫の体内に侵入した場合やそれを食下した場合に起こり、卒倒病は病原菌を食下した場合に限って発病する。 いずれも急激に致死するのが特徴で、高密度で飼育した場合に発病しやすい。両菌とも一般に広く分布しているが天蚕の被害はそれほど多くない。 D.原虫病 微粒子病が主なものである。 感染は経卵と経口で起こり、潜伏期間が長く、始期以降に発病する場合が多い。 感染卵を除くために母蛾検査が重要である。 E.寄生 ヤドリバエ類や寄生蜂などによるものがある。 ヤドリバエ類は飼料葉に産下された卵を天蚕幼虫が食葉とともに嚥下することによって体内に寄生するか、天蚕幼虫の体表面に産みつけられた卵が、ふ化後に体内に侵入して寄生し、宿主の栄養分を奪って致死させるものである。 寄生蜂は種類によって、天蚕卵の内部 または天蚕幼虫の体内に産卵し、寄生するものがある。 これらは野外の鱗翅目昆虫にも広く寄生する。 F.捕食 カメムシ、ハチ、アリ、クモ、テントウムシなどによって天蚕幼虫は捕食される。 若齢期における被害が多い。 (2)病虫害の防除法 病害は飼料葉の病原汚染に起因する場合が多いので、天蚕幼虫には野外昆虫による病原汚染や食害痕などのない葉を食べさせるようにする。 屋外育のための飼育林では整枝屑、落葉、枯草などの焼却、飼料樹や防虫網などの消毒、生息昆虫類の排除などを徹底的に行う。 屋内育では飼育室や飼育用具等の消毒を十分に行って飼育環境の浄化につとめ、飼料葉は吟味して与え、飼育作業中の防疫などにも注意する。 消毒はホルマリン2〜3%液、クライト200〜400倍液、アリバンド200倍液、消石灰などを散布するか、またはこれらに浸漬して行う。

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ヤママユガってどんな蛾?大きさは?毒はある?絹の価値は?

クジャク ヤママユガ

夜間に活動し、寿命が尽きる前に番(つがい)を探します。 光に惹かれる性質があります。 メスは夜に揮発性の性フェロモンを放出し、オスは飛んで、大きな触角を介してこれを検出します。 オスは フェロモンを数メートルの距離で検出し、フェロモンが来ている方向に飛んでメスに到達することができます。 オスがメスに到達すれば交尾が始まります。 交尾は約22時間続きます。 残りの卵は宿主植物の葉と小枝の上に置かれます。 これは 中央ヨーロッパ最大の蛾になります。 体が大きいため、飛んでいる姿がコウモリに間違えられることがあります。 英名では「 great peacock moth」(大きな孔雀蛾)と呼ばれています オオクジャクヤママユの名前 オオクジャクヤママユは「 giant emperor moth」(巨大な皇帝蛾)や「 Viennese emperor」(ウィーンの皇帝)とも呼ばれます。 「Viennese」(ウィーン)とは 中央ヨーロッパの国、 オーストリアの首都です。 ウィーン市の西部にはアルプス山脈の一部であるウィーンの森があります。 また、ヤママユガ科などの大きな蛾は「 emperor」(皇帝)の名が付きやすい傾向があります。 オオクジャクヤママユに適した環境と生息地、その体の大きさからこのような名前が付けられたと考えられます。

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連載「日本昆虫記」19 ヤママユ

クジャク ヤママユガ

夜間に活動し、寿命が尽きる前に番(つがい)を探します。 光に惹かれる性質があります。 メスは夜に揮発性の性フェロモンを放出し、オスは飛んで、大きな触角を介してこれを検出します。 オスは フェロモンを数メートルの距離で検出し、フェロモンが来ている方向に飛んでメスに到達することができます。 オスがメスに到達すれば交尾が始まります。 交尾は約22時間続きます。 残りの卵は宿主植物の葉と小枝の上に置かれます。 これは 中央ヨーロッパ最大の蛾になります。 体が大きいため、飛んでいる姿がコウモリに間違えられることがあります。 英名では「 great peacock moth」(大きな孔雀蛾)と呼ばれています オオクジャクヤママユの名前 オオクジャクヤママユは「 giant emperor moth」(巨大な皇帝蛾)や「 Viennese emperor」(ウィーンの皇帝)とも呼ばれます。 「Viennese」(ウィーン)とは 中央ヨーロッパの国、 オーストリアの首都です。 ウィーン市の西部にはアルプス山脈の一部であるウィーンの森があります。 また、ヤママユガ科などの大きな蛾は「 emperor」(皇帝)の名が付きやすい傾向があります。 オオクジャクヤママユに適した環境と生息地、その体の大きさからこのような名前が付けられたと考えられます。

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